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熱帯魚の飼育費用

魚は生き物ですので、環境が揃わないまま、何カ月も魚をそのまま置いておくわけにはいきません。熱帯魚の飼育には初期費用の他、維持費もかかります。ある程度費用を把握しておいて、計画性をもって始めるようにしましょう。

熱帯魚の価格

熱帯魚そのものにもお金はかかりますが、特にマニアックに魚の種類に凝らずに、小型魚を組み合わせて飼う場合なら、5千円位でも済みます。熱帯魚の価格はピンキリですが、特に入荷の難しい種類や、珍種でない限り、さほどお金はかかりません。特に養殖が盛んに行われている種類に関しては、安価で売られているものも多くあります。ほとんどが養殖種であるネオンテトラなどは、常に100円前後で購入できますし、ワイルド種であっても、カージナルテトラなどは産地で大量に採取できますので、ほとんどのショップで200円前後です。

こうした養殖による流通が盛んで、安価に取引きされている種類を飼育することで満足できなくなって来ると、安価では済まされなくなって来ます。

熱帯魚には、大体の相場はあります。しかしこの相場は「供給が安定している種類」にのみ言えて、中には価格の上限がわからなくなるような種類もあります。たとえば、インペリアルゼブラプレコなど、乱獲がたたり採集が著しく規制されると、以前は10,000円もかからない金額で取引きされていたワイルド種が手に入らなくなったばかりか、ブリード物でも30,000円以上にもなってしまいました。

このように、ほぼ絶滅状態になったり、棲息地の国の法規制により輸入が少なくなったワイルド種については価格がうんとつり上がったり、ワイルドが手に入らなくなったことにより、場合によってはブリード種まで価格が上がってしまうことがあります。さらに、マニアックになると、ヒレの伸び具合いや、わずかな模様の入りかたの違い、発色の出具合いなどの個体差を追究するようになったりもします。あまり興味のない人から見てわずかな違いであっても、マニアにとってはもの凄く大きな差であったりすることも多々あります。こうした個体差は、即価格の差になって跳ね返って来ます。

シクリッドのアピストグラマには、多くのファンがいますが、アピストグラマの、尾ビレ、背ビレなどのヒレの伸び具合い、発色の違いなどは、大きく価格に反映されます。一般にこうしたシクリッドの仲間は、オスとメスのペアで販売され、1ペアで15,000~20.000円もするようなものが多くなっています。

飼い込むことにより美しく変貌する魚もあったりしますが、美しくなると言われて買っても、一生懸命飼育しても、全然変化しないこともあります。素人の場合には、難しい目利きが必要になります。カージナルテトラにしても、珍しいカラーの入ったものは、目の利くショップでは、珍種として1匹何千円いう売られている場合もありますが、ショップによっては、そのまま一般のカージナルテトラに混じったまま、1匹200円位で売られていることもあります。

定期的な入荷の期待できない熱帯魚に関しては、価格の上限の分からないようなものもあります。

ディスカスは、スポットやラインの出方で雲泥に価格が違います。全身にフルスポットの見られる「ロイヤルグリーン」と呼ばれる個体は10万円以上することも珍しくはありませんし、青いブルーのラインが入っているのが特徴で、全身にブルーのラインが入っている「ロイヤルブルー」と呼ばれるディスカスは、乱獲のために、ここ何年かはほとんど見られなくなるようになり、たまに見られたかと思うと、十数万円という非常に高額な値段がついていたりします。

さらにオーストラリアハイギョなどは、絶滅危惧種のため、野生個体はワシントン条約により商取引が制限され、その後2002年からは合法的な養殖個体が輸入されていますが、数十万円で取引されていたりします。

セッティング費用

最低限水槽は必要になります。いい水槽を買うなら万単位ですが、水槽セットで安くて流通量の多い60cmと45cmの水槽をディスカウントストアで購入すれば、3千円~で手に入ります。

このほかに基本的に水槽、フィルターオートヒーター、デジタル水温計(650円)、餌などが必要になります。水道水をカルキする中和剤(400円)なども必要になります。また、蛍光灯は水草を入れるなら、欠くことのできないものになります。

上部フィルター(ろ過装置)と蛍光灯(2灯式)のセットになった60㎝水槽(フタ付き)も、10,000円弱で購入できるようです。これにヒーター・サーモスタットがセットになったものが、13,000~15,0001円くらいで出ていたりもします。サーモスタット付きヒーター自体は、2,200円~で出ています。

フィルターについては、飼育していくうちに変える必要を感じたりすることもままあることですが、とりあえず何も分からないうちは、セット用品からスタートしてみるのもいいかもしれません。別途ポンプ(2,000~3,000円)が必要になります。
※ 詳しくは「フィルター」のところを参照してください。

水草については、スクリュー バリスネリア、ピグミーチェーン・サジタリア、アンブリアなど、1本(1株)100~200円で購入できます。1本(1株)はボリュームのない小さなものですので、ビグミーチエーン・サジタリアなどは2~3 株まとめて植えるようにします。60㎝用水槽用に、1種類につきある程度ボリュームを持たせて束ねたものを、4種をセットにして2,000円というようなかたちで販売されていたりもします。

さまざまな水槽セットとして、セット販売されていますが、この他にも、用意するものが出て来ます。

底砂 60㎝水槽の場合で、水草が少しなら8kg、水草メインの場合10~12kgとされています。素材や処理のしかたにより料金は異なりますが、1㎏(あるいは1ℓ )400円~で、大入袋で買うほうがkg当りの単価は安くなります。

  • タイマー
  • 魚を投入する際の粘膜保護剤
  • バックスクリーン
  • 流木
  • 水換え用のバケツ(10㍑用・100円均一利用)
  • 底砂掃除用プロホース
  • 魚やゴミすくうネット(300円)
  • 水草用肥料
  • 水草用ピンセットやハサミは、植え込みの際にピンセットはあれば便利です。ハサミは家庭にあるものを使えば、わざわざ用意する必要はありません。
  • pH測定器やpH試薬
  • バクテリア剤650円

こうした費用全部合わせても、ここまでの初期費用は大体2~3万円といったところと言えます。ただしうんと大型魚を飼う場合なら、大きな水槽が必要になりますし、ヒーターやろ過装置も水槽の大きさに合わせて必要になりますので、5~8万円かかるようになるかと思います。

水草育成のためのCO2添加の費用はピンキリ

当初の段階から本格的なものが必要かどうかは別として、本格的なものを用意すれば、CO2添加の装置だけでも2~3万円かかってしまいます。水草の育成費用は、ハマり出すと魚にかけるよりも、手間とお金がかかります。

CO2添加に関しては、本当にさまざまな方法・装置があり、コストもピンキリです。なくても構わないのですが、添加しないと葉が黄色くなったり、枯れたりして思うように水草が育ちません。あれば水草の持ちが全然違ってきます。水草は殖えれば当然トリミングなどは必要になりますが、枯れたりするものが少なくなってなって来る分、手入れも楽になり、楽しくなって来ます。

水草によっては丈夫でCO2を添加しなくとも育つものもありますが、やはり種類が限られてしまい、CO2を添加がないと、自分の思うような水草水槽はなかなかできません。

水草は、魚の隠れ場所にもなり、魚のストレスを大きく軽減させます。さらには繁殖の場にもなってくれます。窒素を栄養とするので、魚にとって有毒の窒素化合物を取りのぞいてくれることにも役立ちます。

二酸化炭素を添加方法として、水中に投げ込むタブレットや簡易な装置も安価で出ていますが、正直効果のほどは分かりません。

CO2添加については、本格にボンベを用いる方法の他にも、タブレットを持ちいたりする方法もあります。ボンベ式のものも簡易なものは、800円~で販売されています。ただし、効果のほどはそれぞれで、本格的なボンベを用いる方法のような、確実な効果はあまり期待できないと言えます。

二酸化炭素添加の装置には、非常に価格に差があり、本格的なものに近くなればなるほど、価格は高くなります。ボンベ式のものには、大きく分けても水槽内部式小型拡散器、外掛け用方式、ジョイントを使って外部フィルターに接続する直添式などがあり、それぞれについてさまざまに異なったものが出ています。

ボンベを使う場合は、ボンベにレギュレーターをセットして、これをエアーチューブで、拡散器に繋ぐようになります。

ボンベに使用するCO2レギュレーターと電磁弁

  • 電磁弁は、電流によって弁が開閉するものです。(2,000~4,000円)
  • レギュレーター(9,000円~)は、ボンベの圧力を減圧調整する機器ですが、残圧メーターを表示するカウンターが付いていないタイプは価格安いですが、ないと残量が分からず不便です。
  • 逆流防止弁(チェックバブル)は、水や気体を一方向にしか流さない働きをすることで、逆流を防ぎます。必ず使用するようにします。880円~
  • スピードコントローラー(1,700円前後)は、なくても二酸化炭素添加はできます。レギュレターに微調整が利かないと必要になることもあります。
  • バブルカウンター(二酸化炭素の添加量確認)は、二酸化炭素の添加量確認に使います。なくても添加は可能ですが、ないと目分量での添加になります。680円くらいです。
  • 耐圧チューブは、通常ポリウレタン製の外径6mm、内径4mmで、レギュレターとスピードコントローラー、電磁弁など、圧力が掛かる部分の接続に使用します。ウレタン製が価格が安く、使い勝手がいいので、ADAなど各メーカーで採用されています。ウレタン製の中には、ソフトウレタンと呼ばれる軟質のチューブもありますが、ワンタッチ継手への直接取付が出来ません。ですので、ソフトタイプものを除いて選ぶようにします。1m150円~で出ています。
  • 耐圧チューブ接続のワンタッチ継手は、機器を耐圧チューブで接続する場合に使います。100円~出ています。
  • 耐圧チューブを接続する分岐配管用ジョイントは、複数水槽に分岐して添加する場合に必要になります。800円くらいです。これを用いて分岐するとき、スピードコントローラーの後に分岐分すると、CO2の微調整はできなくなりますので、必ずスピードコントローラーの前で分岐するようにします。
  • エアーチューブは、圧力負荷の少ないスピードコントローラーなどから逆流防止弁、バブルカウンター、拡散器の間に使用します。外径6mm、内径4mmのチューブで、材質はビニール製、シリコン製などあります。シリコン製のチューブは耐久性に優れます。1m200円~出ています。
  • エアーチューブ用ジョイントは、機器とエアーチューブを接続するのに使います。100円ぐらいです。3mで200~300円です。

拡散器(溶解器)

拡散器(溶解器)は、さまざまなタイプのものが出ています。エアーチューブもセットされている場合が多いです。(5,000~15,000円)

拡散器として、ストーンを使う場合は、ストーン自体は1,000円程度で出ています(この場合は、チューブを別途求める必要があります)。

エアーチューブ(0.5mで250円~価格はチューブ直径による)

ボンベ

  • 大型ボンベに使用するCO2レギュレーター(ボンベの圧力を減圧調整する機器・8,000円~)
  • レギュレーターは、残圧メーターを表示するカウンターがないタイプは価格安いですが、ないと残量が分からず非常に不便です。
  • 大型ボンベ(ミドホン5キロのもので、約2年間使える)9,000円~
  • 小型の74gのものは1本740円で出ていたりしますが、10日くらいしか使えません。
  • ADAの74gのボンベは1本1,200円です。

最初の数カ月は、これを何本か購入して用いる方法もありますが、ずうっと使い続けることを考えると、小型ボンベは割高になり、ボンベだけで年間25,000円もかかかってしまいます。

ボンベについては、ボンベを買わずに、砂糖と重曹とイースト菌を使って、自分でCO2作る方法もあります。

ボンベやレギュレーター、拡散器などが全てセットになった製品

  • 電磁弁と一体になった小型ボンベ用のレギュレーターも出ています。7,500円くらい
    バルブでCO2添加量を微調整できますので、別途スピードコントローラーを用意する必要がありません。(大型ボンベに使用する場合は、別途アダプターが必要になります)。
  • 小形のボンベやレギュレーター、拡散器などが全てセットになったCO2キッドも各社から17,000円~発売されています。ランニングコストはそれほどかかりませんが、初期投資は高くなります。ただし、残圧を表示するカウンターは付いていませんので、残圧を知りたい場合は自分で配管と圧力計を購入してレギュレーターに取り付けるようになります。

※ 二酸化炭素添加装置について、詳しくは「水草を育てる」のところを参考にしてください。

普段の維持費

電気代、餌代、水道代のほかにも、水草を育てるためのCO2、水道水のカルキ抜きのための中和剤などの費用がかかります。金額的には、水道代や光熱費などよりも、フィルターなどの消耗品の交換や餌代などにかかる費用の方が大きいようです。また、魚が病気をすれば、薬代なども臨時にかかるようになります。薬によっては高価なものもあります。

臨時の費用を含めなければ、月5,000~6,000円といったところだと思います。

  • 電気代…ライトの本数や照明時間などにもより、多少前後しますが、冬場のヒーターに光熱費がかかる時期でも、ヒーター・照明・ポンプ 合わせて150~200W(㍗)なら 月2,000~3,000円程度が普通です。夏のま昼に水槽の置いてある部屋にクーラーをかけたりすれば、また、料金は変わりますが、クーラーを掛けなければ、夏は1,000円ちょっとで足りると言えます。
  • 餌代…大型魚や肉食魚を飼わない限りは、月500~1,000程度で済みます。あとは何を与えていくかで変わります。
  • カルキ抜き100g入りで売価200円位で売っていたりしますので、大きな負担にはなりません。
  • これらとは別に水草用の二酸化炭素の添加に費用がかかります。添加のしかたによって、コストには大きな幅があります。

効果のほどは分かりませんが、簡易なボンベなら月額平均300円~で維持できるようです。本格的なものを用意すれば、ボンベにお金がかかります。ボンベを使う場合は、月割で750~2,000円かかります。あとはいくらでもありませんが、電気代がかかるようになります。消耗品としてのキスゴムの交換などは、大きな金額はかかりません。

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