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熱帯魚水槽のサーモスタット

熱帯魚用のヒーターは一般的に水の中に直接投入して使います。ヒーターは水温を上げるための器具ですが、そのままコンセントにつないでしまうと、どんどん温度が上がり続けてしまいます。いくら熱帯に棲むと言っても、適温は20~30℃くらいまでで、水温が40℃近くにもなると死んでしまいます。

ですので、ヒーターの温度がどんどん上がり続けるのをストップし、一定温度になったら、それ以上上がらないようにするようにするための装置が必要になります。これがサーモスットです。

サーモスタット内蔵型と分離型

ヒーターには、サーモスタットと一体になった内蔵型タイプのものと、ヒーターとサーモスタットが別々になっている分離型タイプのものがあります。

サーモスタット内蔵型

ヒーターにサーモスタットが一体になった内蔵型ヒーターです。ヒーター内部で水温を感知するようになっています。内蔵型ヒーターの中でICセンサーが内蔵されているタイプのものを内蔵型 オートヒーターと言います。見た目もとてもスッキリして、小型水槽にはうってつけの便利なヒーターです。

オートヒーターにも2種類あり、温度固定型タイプと、温度調節型タイプのものがあります。温度固定型は、ほとんどが26℃位に保たれるようになっていて、自分で温度の指定が出来ないタイプのものです。温度調整型は、自分で好きな温度に調整できるタイプのものです。

温度固定型タイプのヒーターも、多くの熱帯魚はこの水温の調整で飼育できるので、小型水槽ではよく用いられます。世話なしと言えば世話なしですが、魚の種類によっては、固定された温度が最適温度とは言えない熱帯魚もいます。また、病気の時などは、水温を上げてあげる必要が出て来ることもあります。細やかな飼育を考えるときは、やはり、水温調整のできる温度調整型のオートヒーターを選ぶべきと言えます。

サーモスタット分離型

サーモスタットに接続しないで、ヒーターに通電すると、ヒーターは際限なく水槽内の水を加熱してしまいますから、サーモスタットなしでは、ヒーターを使うことはできません。ですのでサーモスタットが内蔵型されていない分離型タイプの場合は、別途サーモスタットを用意して、サーモスタットに接続して使用することになります。

分離型タイプは、ヒーターとサーモスタットがセット販売されている場合もありますが、ヒーターだけ先に選んで、別途にサーモスタットだけを購入するようになる場合もあります。

ヒーターが故障した場合は、分離型タイプは、内蔵型タイプのように丸ごと買い替える必要はなく、ヒーターだけ購入してサーモスタットはそのまま使うことができます。水槽サイズを大きくしたので、ヒーターについてもW(㍗)数の大きいものにするような場合でも、壊れていない限りは、サーモスタットはそのまま使うことができます。ヒーター本体とサーモスタット(温度センサー)の両方を水槽内に入れなければならならないことからかさばるので、小型水槽では一般的ではありません。

サーモスタットの種類

サーモスタットには構造の違いからバイメタル式と電子式の2タイプがあります。

バイメタル式サーモスタット

古くから使われている安価なサーモスタットです。水槽に中に入れなくてはならないので、見た目はあまりよくありません。温度による伸縮率の違う2つの金属が重ね合わせてあり、水温が高くなると反り返って、電流を通す接点が離れ、ヒーターの電源が切れる構造になっています。水温が低くなると、逆に2つの金属の接点がくっ付き、電源を自動的に入れてくれるようになっています。

最初に適温設定を行うようになります。適温より低いようなら、ヒーターの作動を示すライトが着くようになるまで、上部にあるつまみを回し、高いようなら反対側に回しすようにして適温設定を行います。ヒーターが熱を発してしている状態の時は、下部のライトが点灯します。古くなると、バイメタルの接点が焼き付き、ヒーターが上がりっ放しになってしまう事故が起こることがあり、定期的な点検が必要です。バイメタルの接点が汚れて来ると、逆に接触不良を起す場合があります。

電子サーモスタット(電子サーモ)

電子式サーモスタットは、バイメタル式に変わって登場したもので、バイメタル式よりは若干高価になりますが、便利です。電子式サーモスタットとはICを利用したセンサーが水温を感知し、温度調整を行うものです。水槽内にサーモスタットごと入れなくてはならないバイメタル式と異なり、水槽内に入れるのは、温度を関知するためのヒモ(コード)だけですので、見た目にも邪魔になりません。

精度の高い 電子サーモスタットがあれば水槽内には温度を関知するためのセンサー用のコードを入れるだけでよく、水温の位置にダイヤルを回すだけで温度管理ができます。

サーモスタット内蔵型オートヒーターが安全

通常はセンサーやヒーターは、水中にあれば水温を感知して、必要以上に過熱することはありません。サーモスタットを誤って水槽の外に出してしまうと、センサーは空気中の温度を感知し、冬場の室内の温度が設定温度以下だと、ヒーターはどんどん過熱してしまうことになり、熱帯魚を煮てしまうことになります。

分離型の場合、センサー部が軽いので、誤って水槽の外に出てしまったり、水の量が減っていて、サーモスタットが露出しているのに気付かないケースもあります。すると、センサーは空気中の温度を感知し、いつまでも暖まらないと誤認識し、その結果、ヒーターはどんどん過熱し続けてしまうことになります。結果として、熱帯魚を煮てしまうことになります。

阪神・淡路大震災では、ヒーターやセンサーが外に出てしまっていても、地震直後は停電していたので、ヒーターは作動せず、火災は起きませんでした。しかし、電気が復旧して通電したことで、外に投げ出されていたヒーターが作動し、これが可燃物に接触して、多くの火災(通電火災)を発生させました。ヒーターを用いて熱帯魚を飼育している場合は、地震の際は、必ずブレーカーを落としてから避難する必要があります。

ペットが水槽を誤ってひっくり返してしまい、ヒーターが外に投げ出されてしまって火災になったというケースもあります。

こういう事故を防ぐために、サーモスタット内蔵型には、センサーが水中から飛び出した場合、安全装置が働き電源がOFFになる空焚き防止機能がついています。購入の際は、念のため、空焚き防止機能が付いているか確認するといいでしょう。

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