その他シクリッド
シクリッドは、スズキ目・カワスズメ科(シクリッド科)に分類されます。
シクリッドの仲間は多くは南米に生息し、エンゼルフィッシュ、ディスカスをはじめとして、色彩豊かで美しい種類が多く、それらの種類は観賞用の魚として世界中に流通しています。幅があり、一般的に体高が高く、扁平した種類が多いなど、体型に特徴があります。
エンジェルフィッシュやディスカスを除いたシクリットの仲間で、観賞魚として人気の高い魚に、ドワーフ・シクリッドがあります。ドワーフ・シクリッドは、シクリッドの中でも10cm以下の小さな熱帯魚をいいます。
ドワーフ・シクリッドの産卵のしかたや繁殖は種類によって分かれ、、1組のペアがずっと仲良くする種類のものもあれば、1匹のオスがたくさんのメスを相手にする種類もあります。
オスはフィンスプレッディング(ヒレを大きく広げる)によりメスに自分をアピールしては、メスを追いかけ回したりします。オスの求愛活動から、逃げて回っていたメスも、いったんオスを受け容れペアになり、卵を産むと非常に強くなり、卵に近づこうとするオスを追い払ったりもします。
産卵場所については、石や流木などの裏(天井)に産卵するケーブスポウナー・スタイルのものと、なるべく平らな石や流木などの表面に産卵するオープンポウナー・スタイルに分けられます。
産卵した卵については、①親が守ったり、②産卵した卵をすぐに口にくわえ、口の中で孵化し、稚魚になってもしばらく口の中で育てたり(マウスブルーダー・スタイル)、③いったん産卵場所に産卵した卵を、孵化直前の頃から口の中で育てたり(ハーフマウスブルーダー・スタイル)したりします。どのスタイルを採るかについては、魚の種類によって異なっています。オスも参加しようとしたり、人間界にも通じる発達した繁殖行動には、思わず笑みがこぼれてしまうこともあります。
一般的にドワーフシクリッドは、オスとメスとではボディに色や柄が違っています。一般的にオスのほうが体が大きく色がカラフルできれいです。ですので、ドワーフシクリッドのオスとメスの判別はさほど難しくありません。
ドワーフ・シクリッドは、主にアマゾン川周辺水域の、水草が自生しているところに棲んでいますから、同じように水草のボリュームの多い環境で育てることが適しています。水草は、魚たちにとってテリトリーを守るものにもなりますし、繁殖にも使うこともできます。世界各地に分布しているウィローモスや、弱酸性でも対応するミクロソリウムなど、水質にあったものを選ぶようにします。
ドワーフシクリッドは、市販の餌や生き餌を好き嫌いなく食べてくれます。
水質は、地域によって異なりますが、PH6.5以下の弱酸性を好みます。
縄張り意識が強く、繁殖の際は気が荒くなる種類もありますので、ペアが判ったら違う小型水槽に分けてあげるようにするのが理想です。
こうしたドワーフ・シクリッドと呼ばれる魚の仲間には、アピストグラマ属(Apistogramma) の属す魚、ミクロゲオファーグス属(Mikrogeophagus)に属す魚、レタカラ属(Laetacara)に属す魚、アピストグラモイデス属(Apistogrammoides)に属す魚たちがいます。特にもっとも種類が多いのがアピストグラマ属に属す魚たちです。