ハゼ
ハゼは、スズキ目(Perciformes)・ハゼ亞目(Gobioidei)に属する魚の仲間です。ハゼの仲間には非常に多くの種類があり、全世界の淡水域、汽水域、海水域に、2千数百もの種類が生息しているとされています。
一般的には、運動能力の低い底生魚がい多く、体色は砂底や岩の色に合わせた地味な保護色になっていて、多くの種類が食用になっていますが、温暖な海に棲むものの中には非常に美しい種類もいて、観賞用として飼育されています。
観賞魚に用いられる仲間には、ハゼ科(Gobiidae)を中心に、クロユリハゼ科 (Ptereleotridae )などがあります。
これらのハゼには遊泳型と底生型の大きく分けて2種類があり、ほとんどが水底に接して生活する底生魚になっています。ネジリンボウ(学名: Stonogobiops xanthorhinica)をはじめ、砂泥底に生息するハゼは、テッポウエビ類の巣穴に同居し、共生することが知られていて、こうした生態的にユニークさも、人気の秘密の1つになっています。
ハゼの仲間の多くは、体の断面はまんじゅう形か円形で、普段はおもに胸びれを大きくはばたかせることで、短い距離をサッと泳ぐことを繰り返して、移動します。ただし種類によっては、水の中層でホバリングするように泳ぐものもいます。
ヒレは体に対して大きめで、2つの背ビレが非常に美しいものや、第1背ビレの鰭条(きじょう)が糸状に伸びた種類も見られます。
他の魚に比して、泳ぎは苦手なので、長い距離を持続的に泳ぐことはせず、湾口でも、流れのゆったりした内湾のサンゴ礁域の礁斜面や、内湾中程の砂泥底や、干潟などに棲んでいるものも多くいます。概して臆病な性格で、水槽に馴れるまで、あるいは混泳魚のいる水槽では、砂場や岩の下に隠れていて、滅多に顔を出さないものも多くいます。大人しい性格なので、多くは混泳にも問題がない種類です。
藻類や水底の有機物(デトリタス)を主食にする種類もいますが、ほとんどのハゼは肉食で、プランクトン、多毛類、甲殻類などを捕食して生きています。雑食性で、ほとんどの種類が水槽内では、人工飼料にも餌付き、何でも食べます。雑食性で、餌付けやすく、それゆえ飼いやすく、初心者にも親しまれる観賞魚です。
一般的に丈夫で、色彩の美しいものも多いので、小型の観賞用海水魚の代表格にもなっています。
種類によって差はありますが、基本的には25℃前後の水温で飼育します。