写真提供:レヨンベールアクア熱帯魚飼育図鑑
アレンカー北側で採取された「リアルアレンカー」に対し、南岸に目を向けるとイナヌ、イテルビナ、カラナンザル、ラーゴグランデなど多くの産地を持ちその中ではソリッド系、ロイヤルディスカス、センターバーなどパターンも豊富なエリアともいえます。
このエリアでは近隣に大きな町であるサンタレンがあり下流域の熱帯魚輸出の拠点となっています。
これらの地域のディスカスは「リアルアレンカー」ではなくとも、鮮やかなレッドバッチが出ているものが多くあります。
アレンカー南岸エリアのうち、イナヌやカラナンザルなどの水は、水源には地下からしみだす湧水も加わり、他のデイスカス生息地と比較すれば1−3度低く、川の流れも速くなっています。
ですので、イナヌやカラナンザルなどのアレンカー南岸などに生息するデイスカスは、北岸地域のクリペアなどのディスカスと違い、綺麗な水に慣れ、普段から菌に接していないため、菌に対する抵抗力がなく、雑菌に弱い傾向にあります。不潔な環境に近づくと、すぐに体調を崩します。これら綺麗な河川に生息するデイスカスは、性格的にもナーバスなところがあり、環境の変化にくじけやすいところがあります。
性格的にも、捕まえられるとパニックに陥り、少々のことでもびっくりして、心臓麻痺を起して死んでしまうこともあります。輸送の途中で死んでしまうものの多い個体は、必ずと言っていいほど水の綺麗な地域に住むデイスカスです。このようなディスカスの場合、水槽を叩いたりして、驚かせないようにして育てることが大切です。
イナヌやカラナンザルなどのアレンカー南岸などに生息するデイスカスは、水が綺麗なだけでなく急流なので、他地域のデイスカスより、急流に逆らって泳ぐ頻度が高いため、体型も丸型と言うよりは、ハイフィン、ハイボデイの流線型の菱形が多くなります。
逆に年間を通して、湖など水流の比較的穏やかな地域に生息しているデイスカスは、ヒレが短めで体型も丸いことが言えます。
このようなソリッド個体には、飼い込んでいくうちに、オレンジから、劇的に赤く変身していくこともい多くあります。