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熱帯魚の生き餌

生き餌について

生き餌は、人工飼料に対し、生きた魚などを餌として与えるものです。人工飼料に餌付きにくい種類の魚や、肉食魚に用いるほか、繁殖時の栄養補給、病気療養後の体力回復の際にも与えることもあります。

いずれもどれか一辺倒では栄養価に偏りが出てきますから、他の生き餌や人工飼料との併用が望ましいと言えます。また、肉食魚であっても植物性の栄養分は必要になります。植物性の人工飼料を食べさせるなどして、二次的に草食系のものも摂取できるように工夫するようにします。

①イトミミズ

金魚の飼育では、古くから用いられていて、熱帯魚の餌としても昔から用いられています。近年では採取量が激減しており、流通量が少ない現状があります。ショップで手に入れるならば、繁殖や金魚に力をいれているところで1部入手可能ですが、一般のお店では取り扱っていないことが大半です。名前の通りミミズの1種で、世界中どこの下水管の中や溝など汚れた水のあるところに集団で生息しています。乾燥にも強く、水が無くなると塊になって身を守るので、多少水が少ない場所でも生きていける生命力は強いものですが、酸欠状態になるとすぐに死んで、水を汚すようになります。

動きと、赤い色彩が魚の食欲を刺激し、特に病気療養後の体力回復、幼魚の成長促進などに与えるといいとされています。どんな魚の嗜好性にも応える万能の餌と言えます。不衛生で、保存性が低いことから、生のものは、本格的に繁殖に取り組んでいる場所以外での入手は、比較的困難です。

生きた糸ミミズの成分をそこなわないように急速凍結の後、真空乾燥させた乾燥イトミミズが売られています。

②アカムシ

アカムシは、オオユスリカやアカムシユスリカなどの幼虫で、観賞用の高級金魚などの生餌や釣り餌にも使われています。成虫はカ(蚊)によく似た大きさや姿をしていますが、刺すことはなく、カとは呼ばれていても、蚊とは違う仲間の幼虫です。動きがあり、魚の食欲を刺激する赤い色彩から、どんな魚にも嗜好性は抜群です。殆どの魚が口にする万能の餌になり、病気療養後の体力回復、幼魚の成長促進などの目的で与えられます。入手が比較的困難なことと、保存性が低い、不衛生であることから、一般には敬遠されがちです。本格的に繁殖に取り組んでいる方や、難解魚を飼育する場合を除いて、無くても特に構わないものです。

イトミミズ同様、生のものは入手が難しく、中国で養殖した赤虫を体内まで殺菌し、急速冷凍し、少量ずつパックにした冷凍物が販売されています。フレーク状のエサと本当同じ感覚で使え、魚の食いつきも高く、冷凍保存が利くので便利です。コミュニティタンクの中では、メインの魚が食べなかったとしても、冷凍赤虫(沈む)は沈んで行くので、その間に、たいてい他の種類の魚が食べてくれるので、無駄になることはありません。

大型魚はメダカや赤虫のような生餌のほうを好みます。

③ミジンコ

金魚の稚魚育成のための重要な初期飼料として古くから用いられています。体長1.5-3.5mmで、二枚貝のような背甲に覆われ、ひよこのような形をした動物性プランクトンです。浅い池沼に生息し、日本全土に分布しているのですが、春と秋の気温の限られた季節にしか採れないので、生きたミジンコを冷凍パックしたものが数社から出ています。冷凍赤虫より価格は高くなっています。栄養価は高いのですが、慣れて食べてくれるまでに時間がかかったりします。実際は複数種のミジンコが含まれて販売されていることが多く、他のワムシなどの動物性プランクトンも混じっていることが大半です。特に魚の色揚げ効果を望む場合などに用いるといいでしょう。

④ブラインシュリンプ、ブラインエッグ

ブラインシュリンプの正式名称は「アルテミアサリーナ」といい、原始的な甲殻類の一種(動物性のプランクトン)で塩分の多い湖などをに好んで生息しています。ブラインシュリンプの大半がアメリカのソルトレイク産とも言われています。専用の容器に入ったものが生で売られています。

また、乾季と雨季がはっきりしたソルトレイクの自然環境で誕生したブラインシュリンプの卵は、乾季に乾燥しても、雨季になり雨がふれば、孵化するという性質を持っていることから、ブラインシュリンプは、「ブラインシュリンプエッグ」として日本では乾燥した卵の状態で売られていて、孵化して使用します。

孵化の方法は、海水より少し薄めの塩水に入れ、エアーレーションを行います。水温は28℃くらいにしておくと孵化が早まります。孵化したブラインシュリンプは光に集まる習性があるため、一方から光を当てながらスポイトなどで取り、水槽に入れてあげるようにします。

餌くいの悪い熱帯魚や稚魚などにはもってこいの餌ですし、特にブラインシュシュリンプの幼生は、ブラインシュリンプは大き過ぎて食べることのできない稚魚に与えるのに使われます。

しかし、塩湖に棲むブラインシュリンプは淡水には棲めないことから、食べ残しは死骸になります。特に産卵箱などで育成している稚魚に与えている場合は、残ったブラインシュリンプの幼生は、水質に影響を及ぼすことになります。しっかり食べきる量のみ水槽内に投入し、残ったものは、スポイトなどですくい取ってしまうようにします。

⑤インフゾリア(動物性プランクトン)

インフゾリアは、動物性プランクトンの総称で、体がまだ小さくて、イトミミズやブラインシュリンプなどを食べることのできない小型魚の稚魚の餌になります。インソブリアは、自分で作ります。水槽の水を小さな容器にいれ、キャベツやレタスなどをちぎって入れておきます。水面が白く濁って来ますが、これがインフゾリアです。この白い部分をスポイトで吸い取って稚魚に与えるようにします。

⑥エビ

スジエビ(シサエビ・カワエビ)は、肉食魚の餌として流通しています。熱帯魚のショップでは1匹単位から買えるところもありますし、50g単位で、50~60匹くらいで、熱帯魚用に販売されています。

⑦コオロギ

アジアアロワナは、体長が1mになるアマゾンのシルバーアロワナに比べ、体長も60~70㎝程度で人気があります。アロワナは、自然下では落下昆虫を主食にしていることから、イエコオロギ、フタホシコオロギは、需要の多い餌になっています。アロワナなどの大型魚ほか、両性類のエサとして販売されています。熱帯魚のショップで普通に取り扱っているほか、匹単位で通販で販売しているお店もあります。高たんぱくで栄養価が高いため、多くの肉食魚や雑食性の中大型魚の飼料として用いられています。

⑧ショウジョウバエ

ショウジョウバエはウジ虫の状態で与えても、成虫の状態で与えても、昆虫活き餌として、喜んで食べてくれます。小さい体、短い生活環、多産、特殊なエサは不要。そのため狭い容器内に多数を飼うことができ、短期間で増やすことが可能です。

⑨ミルワーム

ゴミムシダマシの幼虫を言います。もともとは、乾燥した土地で地表に落ちたイネ科の種子を食べて育ち、穀物倉庫で見つかることもあります。アロワナ、ポリプテルスなど大型魚他トカゲ、ヤモリ、カメレオンなどの爬虫類用の生餌とされています。大型魚を取り扱うショップなどで売られているほか、g売り(100g~)、もしくはカップ売りで通販でも販売されています。

⑩デュピア 

アルゼンチンに生息するゴキブリの1種で、爬虫類・両生類の餌として、熱帯魚のショップではアロワナの餌として販売されています。動きが遅い、水切れに強い、飛ばない、プラスチックの壁を上れない、臭いが気にならないなどの点は、最適の餌とされています。成長が遅く、繁殖させにくいのが難点ですが、まさに「活き餌」として10匹単位などで、通販でも売られています。

⑪ザリガニ

ごく一般的に売られていて、アロワナの色揚げなどのために餌として用いられています。

⑫ツメガエル

ツメガエルやウキガエルなどのカエルは、金魚などと一緒に飼うこともできますが、ポリプテルスやピラニア、底性ナマズ用に、生餌としてもよく用いられています。1匹単位で熱帯魚ショップで買うこともできますが、10匹単位~で、通販でも販売されています。

⑬ドジョウ

ピラニアやアロワナ、ポリプテルスや底性ナマズ用の餌になります。100g単位で、通販されています。

⑭メダカ、金魚

小型の肉食魚や肉食魚の幼魚にはメダカが、また、飼育魚の口の大きさに併せてサイズ別に小赤(こあか)、姉赤などの金魚が販売されています。アロワナも、コオロギやカエル、ザリガニ、ドジョウの他にも、メダカも食べます。ピラニアは大きな金魚は食べないことがあります。また、ぷらアカヒレや、ゼブラダニオの幼魚なども、小型の肉食魚や肉食魚の幼魚のための餌として流通しています。

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