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熱帯魚水槽のレイアウト

熱帯魚水槽には何気なしに底砂を入れているアクアリストが多いようですが、底砂は熱帯魚飼育にも水草育成にも非常に重要な意味があります。

水草レイアウト

水草は、昔は熱帯魚水槽の中に入れる飾り物でした。昔は金魚鉢の中に、1つか2つ浮いたよう入れられている水草しか知らなかった人がほとんどだと思います。コイや金魚のいる池に浮草が置かれたりしていることはあっても、育てられて売られている水草もそのくらいしかなかったのが現実でした。熱帯魚水槽における水草は、入荷してくる種類も少なく、水槽内で育てることも難しかったからです。水草をレイアウトをすることなど、とうてい考えられませんでした。しかし、現在は、輸入される水草の種類も300種類を超え、多種多様な水草栽培が楽しめるようになりました。

水槽の世界は、熱帯魚を眺めることから、水草水槽を眺めることへと変化して来ました。森林浴と同じ効果があるとされているのも、水草水槽であればこそです。水槽を眺めることが一服の清涼剤となるのも、水草があるからに違いありません。水草育成の技術と器具の進歩、インターネットによる情報の交換などにより、現在では、誰でも簡単に育成が可能になってきました。庭に草木を植えて楽しむのと同じように、水槽内に水草をレイアウトして楽しむという趣味も次第に盛んになtって来ました。水槽と言えば熱帯魚という時代から、水草は熱帯魚の脇役だった時代から、熱帯魚と主役を二分する時代に入って来たと言えます。

※水草レイアウトのしかたについては、「水草の配置」のところを参考にしてください。

水草を入れてみましょう

買ってきたばかりの水草に、ウールや鉛の板に巻かれていたら、そこらから外します。中には爆発的に繁殖してしまう貝などが付着していることもありますから、必ず水道水で洗ってから水槽内に植えるようにします。特に根の部分はよく水をかけて、着いてきた砂利なども、いったんきれいに洗い流すようにします。

貝の卵や害虫の幼虫が付着していれば、発生してくるので、コレを排除します。薬剤を使用して駆除する方法もあるのですが、水草がエビがいる場合は、エビは薬剤に弱いので、薬剤の着いた水草を入れると、エビを死なせてしまうことになりますので、注意が必要です。
葉の部分に付着している場合なら、その部分だけ切り取ってしまった方が無難です。

コケが付着していたり、フニャフニャに腐っている根や茎の部分は、ハサミなどでカットして、捨てるようにします。枯れかかった葉っぱなども取り除きます。

後はピンセットで根もとをつまんで(あまり強くつまんで傷つけないように注意)砂利の中へザクザク刺していきます。

このとき、植えようとしている水草が有茎水草だった場合は、茎の先端をカットすると脇芽が出て殖えていきますので、きれいに逆三角形開いた形を描くように、生長していきます。カットした残りの茎も、植えれば増やて行きます。

水草がすぐに浮いてきてしまうような場合は、砂利の深さを5㎝くらいにして、底まで押しこんでやると、しっかりと固定できます。

有茎水草の中には、浮かせておいたほうが成長が速く、葉っぱも大きくなるものもあります。丈夫な水草の中には、ただ浮かせておくだけで殖える水草もあります。

ネイチャーアクアリウム

水草レイアウトを1歩押し進めて、自然界の生態系を水槽内で再現しようというのがネイチャーアクアリウムです。言ってしまえば、水槽の世界に小さな大自然を創ることとも言えます。

折から、自然を大切にしようとする自然思考が見直される中で、ネイチャーアクアリウムはブームとなっています。水草レイアウトの「美しさ」に加えて、さらに「生命を育む」と言ったことをテーマにして、水槽を作り上げていくことになります。

自然の中では、岩もあります。流れ着いた流木も底に沈んでいたりもします。また、非常に多くの水草が生い茂っています。魚の中には、水草に卵をこぼすように産卵する魚もいますし、岩や流木の陰(裏側)に産み付ける魚もいます。また、それらの水草や岩や流木は、魚の隠れ家ともなります。

何もない水槽と違い、隠れ場所やテリトリーを保てることから、魚たちの生活もストレスのないものとなり、伸び伸びと生きていくことができます。

また、多くの水草が生い茂っていることから、魚たちは水草が吐き出してくれる十分な酸素を吸って生きていくことができます。好気性のろ過バクテリアも活発に活動し、水草とともに、魚の分秘物や排泄物によって生成される化合物を分解し、水を浄化していきます。

それら自然の営みを水槽の中で再現しようとするのがネイチャーアクアリウムです。

ネイチャーアクアリウムの究極は、自然界と同じように、水換えやろ過なしに生態系維持できるバランスアクアリウムの世界です。しかし実際は、水槽創りのプロが行うならまだしも、長期間レイアウトを維持できるバランスアクアリウムを素人が創り上げるのは容易なことではありません。

しかし、水槽の中に入れる水草の数を増やしたり、岩や流木を置いたりして、そこに近付けていくことは十分素人でもできると言えます。

流木を入れる

熱帯魚ショップなどで販売されているアクアリウム用の流木は、マレーシアやシンガポールなどの東南アジア産のマングローブやマングローブフルーツが主なものになります。アマゾンからもさまざまな流木が輸入されています。その他にもアフリカからはサバンナウッドやアイアンウッドなどが輸入されることもあります。

流木を水に漬けておくと、まっ茶色になる場合があります。流木はアクが出るので1~2週間ほど水に浸けておくか、煮てから水槽に入れるようにします。

付着したコケなども、鍋を使って茹でてしまうことにより退治できます。流木がすっぽりと入る鍋で行うのが理想ですが、流木が浸かる大きさの鍋が家庭にない場合もあるかと思います。その場合は、どの部分も熱湯に浸かるように裏返ししたりして、代わる代わり熱湯に当てるかたちで行います。1時間ほどぐらぐらと煮て、泡状のアクが出るようなら、水を換えて煮直します。2~3度水を換えて繰り返し煮ても、水が茶色く変色しますが、泡状のアクが出なくなれば、水槽に入れても大丈夫です。

また、あまりにも軽い流木は、水に沈まない可能性があります。その場合は、1週間ほどバケツに漬けて水を吸わせるようにします。

流木に穴を開け、水草を挿すと、しばらくすると発根します。流木にくぼみがある場合は、そこに水草を刺し込み、糸で巻いてやったりしておくと、活着します。

プレコの仲間には、流木を齧るのが好きな魚もいます。流木を齧ることにより、水を茶色に濁らせたりします。ヤマトエビは、流木に生えたコケを食べるとき、一緒に流木も好んで食べますので、流木はボロボロになってしまいます。ですので、これらの魚を入れる場合、流木はもたないものとして覚悟して入れ、流木を新調していく必要が出てきます。

また、流木を購入する際は自分の水槽に入るかどうかをしっかり調べるようにします。

岩を入れる

岩は鉱物ですから、さまざまな金属を含んでいます。ですので岩は、種類に関係なく多少は水の硬度を上昇させます。そうした金属の中にはすぐに水に溶け出して、水質に影響を与えてしまうものもあります。石灰岩、大理石、サンゴ岩など石灰質を含む石は水をアルカリに傾けます。石灰の多く含まれた石や岩などはきれいに洗ってから水槽に入れたつもりでも、石に含まれる成分が溶け出して、いつまでも水槽の水の白濁が抜けないなどのこともあります。

手頃な石と思って河原で拾った石を水槽に入れたりすると、水質をガラリと変えてしまうことがあります。一般に岩や石は水の硬度を上げ、アルカリに傾けます。

熱帯魚ショップで売っている岩は天然のものと、プラスチックやセラミックのものがありますが、天然由来のものについては、一般的に山谷石、深山石、万天石、溶岩石などはカルシウム分が少なく、硬度に影響を与えることは少ないと言われています。

石や岩は見た目にもキレイで、水槽の中に入れるとよく映えます。しかし、見た目だけで選ぶのではなく、水槽に入れた時の水質に与える影響なども考慮する必要があります。

ですので、岩や石を選ぶ場合は、信頼できる熱帯魚の専門店で売られているものの中で選び、レイアウトに加えるようにしましょう。

石を使用する場合には、バケツ等で充分浸水してアクを抜き、付着している汚れや、細かい砂利、雑菌や虫などを取り除くために、水が透明になるまで、水を換えて洗います。水が棲んできたら、熱湯を掛けるなどして、煮沸消毒を行って、それから用いるようにします。

また、石の中には、魚の体を傷つけるようなエッジを持つものもあります。岩や石を選ぶ場合は、石の種類に気を付けることはもちろんですが、先の尖ったものは選ばないなど、形に対しても気を配るようにしましょう。また、天然石は非常に重たく、水の重さにこの岩の重さが加わることになります。入れる量にもよりますが、ネイチャーアクアリウムを目指して大きな岩をいくつか入れようとすると60㎝水槽で岩だけでも10㎏ぐらいはすぐに超えてしまいます。最初に入れる場合も、水槽の中でレイアウトのために向きを変えたりしているうちに、水槽にヒビを入れたり、ガラスを欠いてしまうこともありますので、注意が必要です。

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