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熱帯魚水槽のpHモニター

pH(ペーハー)とは

pH(ペーハー)は、熱帯魚飼育で、水質を気にするようになると必ず出て来る言葉です。ペーハーとは、水素イオン濃度のことで、簡単に言うと、水が酸性であるかアルカリ性であるかを示す数値のことです。

小中学校で、リトマス試験紙を使った色の変化で、酸性、アルカリ性をを測った経験もあるかと思います。酸性に偏った水は、すっぱい味がします。いろいろな金属と反応して水素を放出します。一方アルカリ性に偏った水は、ぬるぬるした舌触りがします。また、炭酸をよく吸収します。

ペーハーの測定値は、pH7を中性とし、7より小さい数値の場合を酸性、それより大きい数値であればアルカリ性とすることで示されています。7を真ん中の中性として、0~14の数値の中で、値が大きければ大きいほどアルカリ性の性質が強いことになります。

熱帯魚はその育った環境により、水質が酸性に傾いていたり、アルカリ性に傾いていたりとさまざまですので、飼育している熱帯魚がどこの原産でどんな水質を好むのかを知っておく必要があります。

特に、買って来た熱帯魚を水槽の水に移すときは、急激な水質の変化は、ペーハーショックによる魚の不調をもたらすことにもなります。ペーハーショックが起きると、魚はびっくりしてジッとして動かなくなります。 稀にエラをパカパカさせてとても苦しそうにしている姿も見受けられるようになります。放っておいても、体力により回復する場合がほとんどですが、まれに衰弱してしまうこともありますから、注意する必要があります。

アマゾンのカラシンはPH6.2~6.8程度の弱酸性の水質を、アフリカンシクリッドは、PH7.0~7.8程度の弱アルカリ性の水質を好みます。pHの求め方は、水の中でのH+(水素イオン)濃度を対数(Log)で計算したものになりますので、pHが1違うと、1%違うなどということではなく、水素イオン濃度が10倍変わってきます。pH値が2違うとなれば、水素イオン濃度で100倍の開きがあることになります。

多くのカラシンなどは弱酸性を好みます。弱アルカリ性に偏った水を弱酸性にするには、流木をいれたりピートモスをろ過層にいれたりすることにより調整できます。水槽の水も水換えをしないでいると徐々に酸性に傾いていきますが、これは有害物質が蓄積して傾くためいい状態とはいえません。

逆に初心者などにも非常に人気のあるグッピーなどはPH7.0~7.3程度の中性~弱アルカリ性を好みます。ろ材に珊瑚砂などを少量まぜることで調整できます。しかしあまり入れ過ぎるとアルカリ性に傾きすぎてしまいますので、注意します。

本来アマゾンで育った南米カラシンであるネオンテトラ、カージナルテトラと、卵胎生メダカの仲間であるグッピーとは、好む水質が異なり、一緒に飼うことはできません。しかし、始めから養殖場の水道水で育ったようなブリード種の中には、水質の適応性の強い魚も多く、カ-ジナルテトラとグッピーを混泳させてしまっている人も実に多くいます。

日本の水道水は、世界中の水質の中でも、幅広く熱帯魚飼育に向いている中性(PH7.0)を示します。よって、カルキ抜きした後の日本の水道水の状態を維持すれば、多くの種類の熱帯魚はそのまま飼育できる環境にあると言えます。

pH測定器

こうしたpHは、pH測定器やpH試薬を用いて測ります。現在水槽向けのpH測定器で主流になっているものに、デジタルPH測定器があります。電池式やACアダプターによる充電式のデジタルPH測定器が多く出回っています。デジタルPH測定器の価格は、一般的にはおよそ1万円~2万円といったところです。

マーフィード『マイクロpHメーター』

デジタルpH測定器の1つとして、マーフィードの『マイクロpHメーター』があります。同じ水準のpH測定器で1万円以上する中で、正価で5,000~6,000円、ディスカウントされていれば3,000円台で購入できます。測定精度は±0.2pHですが、一般的なアクアリウムに限定した使用であれば、支障を来たす状況は考えられず、さほど気にする必要はありません。

表示速度が今ひとつ遅く、30秒~1分ぐらいかかります。

デジタルPH測定器は、使用期間が経つにつれて精度に誤差が生じるため、正確な値を出すために、専門の液を用いて校正を行う必要があります。一定のpH値に調整された溶液を用いて、定期的(およそ1ヶ月周期)に正確な値が表示されるように修正します。

校正については、測定器によって、pH7.0の校正液を用いて、pH7.0のところで調整を行う1点校正タイプのもの、pH7.0とpH4.0の液を用いて、それぞれpH7.0とpH4.0のところで調整を行う2点校正タイプのもの、pH7.0とpH4.0とpH9.0の液を用いて、それぞれその3点について調整を行う3点校正タイプのものとがあります。

『マイクロpHメーター』は1点校正タイプで、、別途発売のpH7.0の校正液を使用して、pH7.0について校正します。校正のやりかたは、センサー部を校正液体に漬けて設定ボタンを押すだけ(0設定にする)だけ終わります。

校正液については、ディスカウントで買えばそんなに高価なものではないとは言え、『マイクロpHメーター』を使う場合は、別途に買い求めなければならないことになります。また、校正の際、センサー先端部を校正液に完全に浸からせる必要があるので、校正液を移しかえる容器を考えないと、校正液の量を余分に費してしまうことになります。

さらに『マイクロpHメーター』は、長時間使用しないでいた場合、ガラス電極部分を乾燥させてしまうと、測定値が不安定になったり、正しい値を表示しなくなるので、期間を空けて測定する場合は、水か標準液に1~2時間浸けておく必要があるようです。

使うごとに漬け置きが必要というのは、測るまでの時間がかかり過ぎで不便という声も多いのですが、きちんとキャップしてれば、センサーの乾燥を防ぐことはでき、実際のところはそのまま使える場合も多いようです。

故障については、『マイクロpHメーター』センサー部分が本体と一体式のため、センサー部が故障した場合は、センサーのみ換えることはできないので、使い捨てになってしまいます。また、防水性ではありませんので、水槽の中に落としてしまうと、使えなくなります。
若干使い勝手に多少の不便さはありますが、±0.2pHの誤差をいう精度の高さは、熱帯魚飼育の水槽の水のpH値測定には十分で、価格に比した性能ということで言えば十分と言えます。

AQUA IMPORT SERVICE『PHモニターPー1』

AQUA IMPORT SERVICE『PHモニターPー1』は、『マイクロpHメーター』が随時測定タイプのモニターなら、『P―1』は常時測定タイプのPHモニターです。

pH7.0と4.0の2点校正タイプで、pH7.0とpH4.0の校正液を使用して、それぞれ表示される値がpH7.0、pH4.0になるように調整(校正)します。校正のしかたは、水道水で洗ったセンサー部分を、センサー先端部が完全に浸かる量を器に移した校正液の中に漬けます。その状態で10秒ほど待ち、数値が安定したら本体のCALボタンを1回押すと、校正に入ります。PH7.0校正の場合は、もう1度CALボタンを押すと7.00の表示が点滅しますので、「End」が表示され、PH7.0校正が終了となります。PH4.0校正の場合は、校正に入ったら▼ボタンを押し、もう1回CALボタンを押すことによって、4.0校正に入ります。PH4.0の表示が点滅するようになりますので、「End」が表示されたら終わりです。

こうした校正のしかたは、測定器によって異なり、校正液に漬けた状態で表示されるものが、校正液と同じpHの値になるように、測定器の裏側のネジを、付属のネジ回しで回して調整するようなものもあります。少し面倒ですが、校正によって、より正確な値を測れることになります。

『P―1』は、2点校正により、1点校正の『マイクロpHメーター』よりも精度が高められることになり、pH5-9における誤差も±0.07という精度で、アクアリウムで使用するには、十分な内容と性能になっています。

電源は家庭用のコンセントからでも、乾電池(別売り)でも、どちらでも使用できる2way方式で、コードも1mあり、電源がコンセントから取りやすくなっています。

『P―1』は、センサー部を入れっ放しにできることから、水換えをしない水槽の水がだんだんにPHが下がって行く様子も、リアルタイムで分かります。 水換えのタイミングを推し量ることもできますし、対応が必要となる急激な水質の変化も手を取るようによく分かります。

センサーが故障したような場合は、センサーのみの交換も可能です。初心者、マニアのいずれかを問わず、最適なペーハー測定器と言えます。

テトラ「pHテスト試薬」

テトラ「pHテスト試薬」は、もっとも広く普及しているpHのテスト用試薬です。1,600~1700円のコストで、週に1回の換水で、約1年使用できます。簡単に言えば、水槽水に試薬を入れて、変化した水の色を、付属のpHの状態を示す色紙にある色と比べて、水槽の水のpHを読み取るとするものです。飼育水でゆすいだ試験管に、水槽の水5ml(cc)を採り、試験管にpHテストを7滴入れ、試験管にフタを閉め、軽く振って変化した色を、試験管を垂直に持って、色付属の紙と見比べることになります。

防水性能のないデジタルPH測定器を水槽内に落として、ダメにしたり、高価なデジタルPH測定器が故障して使えなくなったりした場合、手っとり早く水槽内の水のpHを知ることができます。一般的に広く飼われている熱帯魚を飼育するには、テトラ「pHテスト試薬」でも十分足ります。初心者の場合、あれもこれもお金をかけ、器具の使い方などに神経を遣うのも大変ですので、とりあえず、テトラ「pHテスト試薬」の使用をオススメしたいところです。

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