熱帯魚水槽のアクセサリーは、水草、石、流木がメインになります。
流木と石(岩)について
※ 水草については、「水草とは」「水草の種類」「水草を育てる」「初心者向けの水草」「水草の配置」「水草の病気」を参考にしてください。
流木について
熱帯魚ショップなどで販売されているアクアリウム用の流木は、マレーシアやシンガポールなどの東南アジア産のマングローブやマングローブフルーツが主なものになります。アマゾンからもさまざまな流木が輸入されています。その他にもアフリカからはサバンナウッドやアイアンウッドなどが輸入されることもあります。
買ったばかりの流木を1日漬けてみると、バケツの中の水がかなり茶色く濁ります。流木はアクが出るので1~2週間ほど水に浸けておくか、煮てから水槽に入れるようにします。
煮沸してしまうと、コケが付着しても茹であがってしまうので、そのまま入れても、茹だったコケは魚の餌にはなるだけで、殖えることはありません。流木の大きさにも拠りますが、家庭には、流木がすっぱり入るような大きな鍋がないことがほとんどで、全部お湯に浸からせて煮ることは不可能です。そういう場合は、流木を裏返したり、鍋の中で角度を変えたりしながら、アクの出方が弱まって来るまで、煮るようにします。
あまりにも軽い流木は、水に沈まない可能性があります。その場合は、1週間ほどバケツに漬けて水を吸わせれば、沈むようになります。沈まない場合もこの段階を通して知るようにします。
流木に穴を開け、水草を挿すと、しばらくすると発根します。流木にくぼみがある場合は、そこに水草を刺し込み、糸で巻いてやったりしておくと、活着します。
プレコの仲間には、流木を齧るのが好きな魚もいます。流木を齧ることにより、水を茶色に濁らせたりします。ヤマトヌマエビは、コケを食べるだけではなく、流木も食べてしまいます。食べられた流木はボロボロになってしまします。ですので、これらの魚を入れる場合、流木はもたないものとして覚悟して入れ、流木を新調していく必要が出てきます。
また、流木を購入する際は自分の水槽に入るかどうかをしっかり調べるようにします。
岩や石について
岩は鉱物ですから、さまざまな金属を含んでいます。ですので岩は、種類に関係なく多少は水の硬度を上昇させます。そうした金属の中にはすぐに水に溶け出して、水質に影響を与えてしまうものもあります。また、石灰岩、大理石、サンゴ岩など石灰質を含む石は水をアルカリに傾けます。
石灰の多く含まれた石や岩などはきれいに洗ってから水槽に入れたつもりでも、石に含まれる成分が溶け出して、いつまでも水槽の水の白濁が抜けないなどのこともあります。一般に岩や石は水の硬度を上げ、アルカリに傾けます。しかし、そうした石の中でも、山谷石、深山石、万天石、溶岩石などはカルシウム分(白い筋)少なく、硬度に影響を与えることは少ないと言えます。
熱帯魚ショップで売っている岩は天然のものと、プラスチックやセラミックのものがありますが、天然由来のものについては、深山石、溶岩石などのものが多く、水質を変化させないことが考慮されていると言えます。
石や岩は見た目にもキレイで、水槽の中に入れるとよく映えます。しかし、見た目だけで選ぶのではなく、岩を水槽に入れた時の水質に与える影響なども考慮する必要があります。手頃なものを河原などで見つけたらと言って、拾って来たものを入れると、どんな成分が含まれているのか分からず、石を入れてしばらくすると、魚のヒレがささくれ立っていたりすることもあります。
ですので、岩や石を選ぶ場合は、信頼できる熱帯魚の専門店で売られているものの中で選び、レイアウトに加えるようにしましょう。岩や石を入れる場合は、種類に気を付けることはもちろんですが、中に入れる魚の種類によっては、体を傷つけるようなエッジを持つものもあります。先の尖ったものは選ばないなど、形に対しても気を配るようにしましょう。
石を入れる場合は、充分浸水してアクを抜き、その後、熱湯を掛けるなどして殺菌したものを用いるようにします。できれば、水槽の中に入れる前に、カルキ抜きしたバケツの水の底に石を沈めてみて、pH測定器や硬度測定用キットなどを用いて、どれだけ水質が変わるか測定してみるといいでしょう。
また、天然石は非常に重たく、水の重さにこの岩の重さが加わることになります。入れる量にもよりますが、ネイチャーアクアリウムを目指して大きな岩をいくつか入れようとすると60㎝水槽で岩だけでも10㎏ぐらいはすぐに超えてしまいます。最初に入れる場合も、水槽の中でレイアウトのために向きを変えたりしているうちに、水槽にヒビを入れたり、ガラスを欠いてしまうこともありますので、注意が必要です。
その他アクセサリ
水草、石、流木以外にもあったらより水槽がよくなるもの、あったら便利なものもいくつかアクセサリとして、販売されているものがあります。
シェルター
水草や石や流木は、水槽の中で、攻撃する仲間がいた場合、急いで隠れることののできるシェルターの役割を果たします。また繁殖を目指す場合には、それらは魚の産卵床にもなります。この他にもブロック型の焼き物、ココナツッツやヤシの実をハーフカットにしたもの、植木鉢を伏せた形のものなど、魚たちの遊び場や隠れ家、産卵場所になるようなさまざなものが出ています。
シクリッドのアピストグラマは植木鉢を半分にしたようなものを入れてやっておくと、鉢の裏側に産卵したりします。同じシクリッドで○○は、平らな石の表面に卵を産み付けたりします。流木に接着剤を使う場合、デュプラシリコンやアクアボンドなど、シリコン系の接着剤は水槽内の生態への影響はないようです。アロンアルファなどもシリコン系で、魚に影響はないようです。エポキシ系接着剤は、ニオイが強く、水槽での使用には向かないとされています。
エアーストーン
効果が問われるようなものもあれば、耐久性もそれぞれです。長年使うと、ボロボロになっていきます。その中で、いぶきのエアーストンは耐久性はバツグンで、水槽からの出し入れの繰り返しても、劣化しないとされています。この他に、エーハイム、KOTOBUKIなども出しています。
バックスクリーン
特にペンシルフィッシュは、光に向かって泳ぐ習性があり、水槽の設置場所が明るい窓側などにある場合、バックスクリーンにより背面ガラスが反射しないようにしてやらないと、背面ガラスに衝突し、命を落とすこともあります。バックスクリーンは水槽の内側ではなく外側に貼ります。バックスクリーンは、水槽セットに付いて来る場合、それを使用する場合も多いかと思います。
これから選ぶ場合は、カラーについては、ネットでさまざまな色が見本として公開されていますので、研究して、好みのものを見つけ出してみるといいでしょう。
ネット
大きなゴミをすくい上げたい、魚をすくうのに使います。柄が長くなっているので、底砂を拾い上げるのにも便利です。魚をすくいあげることを考えると、できるだけ目が細かくてやわらかいものがいいでしょう。
プラスチックケース、プラスティック仕切り板など
プラスチックケースは、一時的に魚を入れておくときに便利です。卵の隔離に使う産卵箱も、プラスチックで出ています。傷つきやすい魚を捕まえるときは、水槽に沈めて網で魚を追い込むようにすると安全に捕まえられます。仕切り板は混泳の際、うまくいかなくなったときや、産卵際他の魚から守るためなどに使います。薬浴用にプラスチックの水槽を用意しておくと、便利です。
水草用ピンセット、はさみなど
水槽用に販売されている長いピンセットは、水草の植栽の際に用いるのに便利です。わざわざ用意しなくても、家にあるものでもかまいません。