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初心者向けの水草

水草を育てるには、最低でも高光量、CO2、底床内の養分の3つが必要になります。あくまで水草の種類によっても異なり、けっして、どれか1つでも欠けたらまったく育たないという訳ではありません。水草の丈夫な種類であれば、「肥料」や「CO2」は気にするほど必要はないものもあります。水草の中にも、比較的丈夫で、初心者でも育てられるものもあります。

アナカリス(オオカナダモ、金魚藻)

明るい室内なら 水槽ライトがなくても、どんどん伸びていきます。どちらかというと植えて育てるより浮かべて育てるほうに近く、浮かせておいても増えて行きます。環境を整えてやれば、ひたすら伸びまくって行きます。底砂は大磯のほうが調子がいいようですが、CO2はなくても育ちます。滅多なことでは枯れませんので、まさに初心者に向きの水草と言えます。

水槽の環境にも拠りますが、本来は1mくらいにもなるので、伸び過ぎたと思ったら、適当な所でバッサリ切ってしまうようにします。ホームセンターなどでも安価に入手可能です。

ミクロソリウム

ミクロソリウムは、シダの仲間で、水草の中でも丈夫さで言うと1.2を争うくらい丈夫な種類です。東南アジアに多く分布していますが、日本の暖かい地方にも生えていて、10~30㎝になります。陰性植物のため強い光は必要とせず、二酸化酸素を添加してあげると、緑々しい綺麗な葉に育ちますが、別に二酸化炭素の添加がなくても育てることができますので、アクアリウム初心者でも枯らすことなく、維持が可能です。

根っこを流木などにくくりつけておいて、ちょっとしたライトさえ当てれば根付いてくれますので、水槽掃除や模様替えの際にも気軽に動かすこともできます。光量は少ない1灯式のライトは、明るい光を必要とする水草には不向きですが、ミクロソリウムの場合は、1灯式のライトでも育てることができますので、メタリックカラーの熱帯魚を 1灯式の蛍光管で美しく見せたいというときには、ミクロソリウムを置くといいでしょう。

大きさも育成条件により変化します。小さい水槽でやや弱めの照明だと小さくなり、CO2を添加し、強めの照明の環境で育てると大型化します。シダの仲間は普通の水草と違い底床に根を張らず、流木や石などに活着して生活します。そのため流木や石のどの部分に活着させるかによって、レイアウトを変えることもできます。

気楽な水槽管理とは思えないほど、立派な水草が育ち、水槽がデラックスな雰囲気になります。ただし、アルカリ性が強いとあまりよく育ちませんので、立派に育てたい場合は、弱酸性の環境で、こまめに水換えしたほうがいいと言えます。また、成長の速い水草ではありません。成長が遅い分、その間苔に覆われやすかったりもするようです。苔対策として、エビやオトシンクルスという魚を飼うといいかもしれません。

ハイグロフィラ

正式名は、「ハイグロフィラ・ポリスペルマ」と言います。略して「ハイグロ」の名で売られてることもあります。丈夫で「初心者向き」とされる水草の中でも、ライトグリーンの色彩と長楕円形の葉形は美しく、利用価値の高い水草と言えます。貧栄養の二酸化炭素添加なしの水槽でも元気に生長していきます。葉っぱ1枚からでも根を出し、光量についても蛍光灯1本程度で充分生長を見せていきます。

手をかけ 綺麗に育てると 本当に綺麗ですが、「枯れなきゃいいや」ぐらいの気持ちで適当に植えておいても、それなりにいい雰囲気を投げかけてくれますので、まさに初心者には嬉しい水草です。非常に生長が早く、2~3週間で水面まで達します。水面まで達したら10cmくらいでトリミングを行って、植え替えることで容易に増やすことができます。

水槽立上げ時のパイロットプランツとしても有名で、水質安定に一役を担います。ポリスペルマを多めに植え、水質が安定してきたら、少し育成の難しい水草を植えたりすることで、ソイルなどの初期の栄養分過剰によるコケの発生を抑えてくれます。定期的な肥料添加で見栄えのいい綺麗な姿に育ちます。基本的にはグリーンの水草ですが元気に生長し、水面近くの光量の強い場所では、頂点が赤くなります。ポリスペルマが赤みを帯びた姿は綺麗で、見事です。

スクリュー・バリスネリア

スクリュー・バリスネリアは琵置湖に自生している日本を代表する水草で、和名で「ネジレモ」とも呼ばれています。琵琶湖とその水系にあたる宇治川、淀川、加茂川下流域の水深1~6m位までの水底の砂泥に根を張って自生しています。渇水期にも水の絶えない小川や水路では20cm程度の水深でも揺らめいて群生しています。

アナカリス、ミクロソリウム、ハイグロフィラほどではありませんが、ムードある水草の中では丈夫な部類に入ります。スクリュー・バリスネリアの名のとおり、スクリュー状に葉がびろびろと ねじれたテープ状の水草で、水流になびいて美しいです。

スクリュー・バリスネリアは、水中に5~15枚位の葉を出し、バリスネリアの仲間としては葉の長さが20~30cm程度と短めであるので、水草レイアウト水槽では「中景の水草」として使用します。水草レイアウト水槽に変化を求める場合に最適で、特にディスプレー目的のアクアリウム水槽には頻繁に用いられています。

高温は好まない水草ですが、丈夫で底床に栄養分が豊富だと、横這いになった地下茎(ランナー)を伸ばしていきます。

光量は強目の方がベターです。熱帯魚ショップで販売されているスクリュー・バリスネリアは、太陽光で育成されたものですが、光源のほとんどを蛍光灯に求める水槽内で同じ状態を求めることはできません。しかし、スクリュー・バリスネリアは、水槽内の環境に合わせて、生き抜いていくことのできる水草になっています。

水槽に植えた当初は10~15cm程度の螺旋の強い葉は、2ヶ月を過ぎ、十分に根張りした頃から、低光量下の環境条件に適応して、弱い長い葉に変化して出し始めます。約1年を経過する頃から、完全に水草水槽の環境に定着して、今度は再び10cm程度の螺旋の強い美しい葉を出し始めるようになります。このようにスクリュー・バリスネリアは、環境に順応していくことによって、増やし方の簡単な水草になっています。

ただし、低温に慣れたスクリュー・バリスネリアでは水槽内で育成すると、高水温では枯死することがあります。低い水温で光量を多くするとねじれが美しい容姿を維持できます。

リシア

色々なレイアウト水槽を眺めていると、底を絨毯のように覆っているリシアの美しさにはまるで陸上のゴルフ場の青々とした芝生でも眺めているかのように、思わず目を奪われてしまいます。リシアはたいてい沈めてレイアウトしますが、リシアは軽く、水に浮いてしまいます。本来リシアは浮き草だからです。

ちょっとしたライトを照らして、浮かせておけば、まず枯れない水草です。浮かせて増やした場合、それほど綺麗ではないのですが、とにかくガシガシと増えて、水質悪化を和らげてくれます。ただ育てるのにはさほど苦労しない水草ですので、難しい部分があれば、沈めて育てるレイアウトにあると言えます。リシアを沈めて育成しているのに成長が悪く、色がくすんできたり、なかなか増えずいつまでもネットが見えている場合もあります。

沈めようとあれこれ模索しているうちに、水槽内がゴミだらけになってしまい、諦めてしまう人もいます。1度リシアのレイアウトがうまく行くと、水槽内に、すがすがしい清涼感が演出できることになります。このリシアは芝生のように、四角に切ったマットにして販売されています。リシアマット1枚と、アナカリス(オオカナダモ)5本くらいとセットにして、購入する人も多くいます。

アヌビナス・ナナ

水草レイアウトの入門種であり、代表種の1つです。入門種と言われるだけあり、育成も非常に簡単です。生長は遅いですが、CO2未添加でも十分育ちます。CO2入れてやることにより、成長速度は速くなります。光量も比較的少なくても育成できます。1灯式のライトの水槽でも、アヌビアスは育てることができます。他の水草の影になっていても成長し続けてくれるので、「中景草」として用いやすいです。

アヌビアス・ナナは4〜6cmくらいに収まる丸みのある葉が可愛らしく、アヌビアス類の中でも小型なので、初心者にとっては水草レイアウトにも馴染みやすいかもしれません。また、アヌビアス・ナナの魅力は、育成の簡単さにあります。植える必要はなく、ミクロソリウム同様、流木などに活着させて育成できます。アヌビアスを水草レイアウトで用いるには、ビニタイや糸で活着させて用いるのが昔からのセオリーです。

1ヶ月もすれば根が完全にくっついてくれます。アヌビアス・ナナはミクロソリウムほどではないですが、若干高温に弱く、シダ病に感染することもあります。ミクロソリウムのシダ病は葉が真っ茶色になりますが、アヌビアスの場合、葉に丸い穴がいくつも開いてそれが段々大きくなって痛々しい草体になってしまいます。もしシダ病に掛かってしまったら早期に葉を切り落として下さい。

アヌビナス・ナナは、成長は遅く、コケ対策を急ぐ場合は、向きません。アヌビナス・ナナを育てるのに、シダ病の他に気を付けることには、コケの発生があります。アヌビアス類は葉が硬く、成長が遅いためコケの格好の餌食となってしまいます。

特に見た目の悪い黒髭コケが付くことが多く、もし付いてしまった場合、ボルビティス同様、テトラのローラプライド(ステラコリン)などの木酢液を筆などで塗布して駆除するようにします。通常の水草だと直接塗布すると、苔と一緒に枯れてしまうことがありますが、アヌビアス系は葉が硬いために、生長に支障を来すようなことはありません。

エキノドルス・テネルス

水草レイアウトに興味が出てくると、前景用に、背の低い水草が欲しくなって来るものですが、水槽の底の方というのは、光が当たりにくいので、水草を育てるのになかなか難しいところがあります。そんな中で、どうにか育てられそうというのが、このエキノドルステネルスです。

エキノドルス・テネルスは別名を「ピグミー・チェーン・アマゾン」と言い、エキノドルスの中でも非常に小さな種類に入ります。

同じエキノドルスで中景用のエキノドルス・ハムリックに似ていますが、育成が結構難しいハムリックに対し、エキノドルス・テネルスは初心者向きで、育成が非常に簡単です。

葉と葉柄の区別はつかなくなり幅1.5mmほどの鋭い葉をつけるようになります。エキノドルスの種は、状態がいいと大きくなり過ぎて困ることが多いなか、このエキノドルステネルスは、小型のため「前景向け水草」として、レイアウトに用いられることが多いようです。

本では必ずと言っていいほど初心者に勧めるような水草だけあって実際に育成は非常に簡単です。レイアウトでは成長早いためある程度数植えれば単植での芝生や草むらのような雰囲気を再現することも可能です。他にはグロッソの絨毯の中や中景部分にアクセント的な使い方も良いと思います。

葉の大きさは光の当たる前景であればだいたい5cm程度ですが、暗いところだと平気で10cm以上なったりもします。CO2未添加でも育成可能です。ただCO2は少しでも添加した方が草姿も綺麗で成長もかなり早まります。状態がよく1度根付くと、次々にランナーを伸ばし、子株を増やしていき、気がつくと思いもよらない場所までランナーを伸ばしていることもあります。

光量もそれほどうるさくないので陰性系のレイアウトでも十分「前景」の役割を果たしてくれます。

葉が古くなり色合いが悪くなってきたら早めにトリミングをおこなうことで、綺麗な光景を保つことができます。古くなった外側の葉に苔が付着することがあります。表面に付着する苔防止のためには、オトシンクルスなどを入れておくといいでしょう。

植え込み時の注意点としては、ロゼット型のため新芽を葉の中心から出しますので、あまり深く植え込むと、新芽の生長を阻害してしまうことがあります。よって根が少し見え隠れするくらいの深さに埋め込んでおくようにします。

ピグミー・サジタリア

「ピグミー・チェーン・サジタリア」とも呼ばれ、広くアクアファンに愛用されてきた水草です。特に「前景草」として用い、ランナー繁殖をします。初級向けの水草の代表とも言える水草ですので、育成は簡単です。適応水質も幅広く、CO2の添加があった方が望ましいですが、なくても育成は可能です。

光量も少なくても育成は出来ますが、前景で使う場合には、高光量(3灯以上)の方が丈が短くなり、レイアウトには望ましい姿になってくれます。光量がある場所なら4〜6cmぐらいになり、反対に光量少なかったり、他の水草の影になってしまうような場所だと10cm以上に丈が伸びることもあります。光量が少なめの環境でも耐えられますので、故意に「中景用」として植えておくと、10cm前後の長めの葉を出してアクセントとしても使うことができます。

葉幅は、4〜6mmと広く、同じ前景草のエキノドルス・テネルスを太くしたようなイメージです。他の前景草に比べて、太い葉をしているので、全体的に丸みを帯びた可愛らしいイメージを感じさせてくれます。客間などの水槽のレイアウトなどには適していると言えます。CO2添加するなど比較的良好な環境であれば、成長は早く、短めのランナーを伸ばして増殖して行きます。

始めに多めに植えておけば、早期に密生させることも可能です。エキノドルス・テネルスと並んで、「前景用」水草の中で、初心者が育てるのに重宝する水草です。光量と肥料が不足すると、葉の色が薄くなることがありますので、適度に光を当ててやって、植えた根元に、ほんの少量の肥料を入れてあげるといいでしょう。

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