エビもスネール(貝)も、アクアリウムの世界では、水草の葉面やガラス面に付着したコケ類、及び水槽内に残った糞や餌の残り等を食べてくれることで、重宝し、飼育されて来ました。
しかし、最近は、かなり多くの種類が見られるようになり 色のきれいなものも出回るようになり、以前の掃除屋としての位置付けから、鑑賞用としても多くのマニアを輩出するようになりました。
エビ目の仲間で、観賞やコケ取り目的にアクアリウムで用いられるエビ(エビ目Decapoda)の多くは、ヌマエビ科に属します。チカヌマエビ亜科、ムカシヌマエビ亜科 、ヒメヌマエビ亜科、ヌマエビ亜科などに分類されるヌマエビ科(Atyidae)の仲間ですが、このうち特にアクアリウムの世界で人気なエビの仲間は、ヒメヌマエビ亜科に属します。ヤマトヌマエビ、トゲナシヌマエビ、ツノナガヌマエビ、ヒメヌマエビ、ミナミヌマエビ、イシガキヌマエビなどは、みなこのヒメヌマエビ亜科の仲間です。
これらのエビは、熱帯から亜熱帯にかけて多く分布します。日本では、南西諸島や暖流に面した西日本の太平洋側で多くの種類が見られます。
また、アクアリウムの世界での貝については、英語ではスネールと言われるカタツムリ型の貝あるいは巻貝を指して言います。
大きな巻貝(腹足類)の分類の中で、いわゆる観賞用のものとして人気のある主な種類には、ヒラマキガイ科 (Planorbidae)、フネアマガイ科(Septariidae)、リングスネールやカノコガイなどのアマオブネガイ科( Neritidae)の仲間があります。
こうした巻貝の仲間は、水槽の世界では、概して水草の食害や糞や貝殻が発するカルシウム過多による水質悪化などのために、意図せずして発生することが多くあります。水槽内で特に悪影響をもたらすものではないにもかかわらず、その繁殖力の凄まじさに水中のゴキブリとして嫌われ、退治されることも多くあります。
しかし、最近では殻の柄が、非常に個性的な模様をしていたり、美しいカラーのものが現れたりして、観賞用にタンクメイトとして投入する人も増えて来ました。水槽を彩りながら、ほかの多くの魚やエビとの混泳も可能で、よきパートナーになっています。