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ヘッケルディスカス

ディスカスは、1840年にヤコブ・ヘッケルによって、アマゾン州北部を下ってくるブラックウォーター水域で発見されました。そこで採集されたディスカスには、頭部から尾鰭まで9本のバンドを持つ魚でした。

その当時は体躯に9本のバンドを持つ同じデイスカスはネグロ川にしか存在しないと思われていたのですが、その後、アマゾン川上流などでも、次々に類似したディスカスが見つけられるようになりました。アマゾン本流の白濁水域でのサンプルも増えるにつれ、採取地によってその体色や模様などが微妙に異なることが知られるようになりました。

ヘッケルによって採集されたディスカスには、体側にあるバーチカルラインの中央(頭部から数えて5本目のバンド)がすべて他のラインに比べ、太バンドになっているという特徴がありました。

そして、他の種類と区別するために用いられた真ん中(頭部から5本目)の太いバンドは、発見者の名前を取ってヘッケルバンドと呼ばれ、これを持つディスカスはヘッケルディスカスという名付けられました。

今日のようにグリーン、ブルー、ブラウン、ヘッケルというように、種類に分けられるようになりました。

ヘッケルディスカスは、ブラジルの基本的にはネグロ川流域に主に生息するディスカスです。

ネグロ川は上流域より下流域まで、すべてのエリアがヘッケルディスカスの生息するエリアとなっています。

また、ネグロ川に生息する個体は、ベースとなるボディーカラーが他の産地のヘッケル種とは行っています。ネグロ川ヘッケルのボディーカラーはイエローではなく、薄いエンジ色の配色となっています。このことから、一目でネグロ産ヘッケルを見分けることが出来るとされています。また、ネグロ産ヘッケルには、品のいいブルーカラーが、フェイス部分だけでなく、ロイヤルラインにも見られます。

昨今ネグロ川以外でも、ネグロ川とは反対方向の南側からアマゾン川に合流するマディラ川、カヌマ川下流、マリマリ川下流、アバカシス川からも多くのヘッケルディスカスが採取されるようになりました。

マディラ産のヘッケル、マリマリのヘッケル……などとして、紹介されています。アバカシス産のディスカスには、頭部にブルーが載っているブルーフェイスヘッケルケルも見られます。この領域は、地形的に各支流が入り混じる複雑なエリアで、雨季の間周辺のジャングルが水没すると、各支流が繋がるようなエリアのこともあって、ヘッケル、ブルー、ソリッド系ディスカスと、さまざまなパターンのディスカスが交雑し合っています。

一方アマゾン川本流の北側でもヤムンダ川の中上流域や、平行に流れるトロンベッタス川でもヘッケル交雑タイプが採取されています。ヤムンダ産ヘッケルはラインの色も濃く、ヘッケルバンドの表れ方も、他の地域のヘッケルとは異なっています。

このような水系により、ストライプラインが細かったり太かったり、青かったり、ストライプラインが強かったり弱かったり少なかったりするのが見られます。純粋種と思われていたヘッケルディスカスは、広範囲に交雑していることが明らかになりました。

一般的にヘッケルの生息地域内では、アマゾン川の上流側に行くほど太バンドのホリゾンタルラインになり、中流域は細めで、下流側に行くほど、チリメン状に途切れるような表情のデイスカスが多くなります。

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