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ベタとは

ベタの体色は鮮やかなきれいな色彩で、ヒレが優雅に伸長し、昔から非常に人気の高い魚です。その尾は一際華やかで、息を呑む美しさがあります。

アナバス亜目(Anabantoidei)の仲間で、オスフロネムス科(Osphronemidae)・ゴクラクギョ亜科(Macropodinae)・闘魚属(ベタ属Betta)に属します。

タイ・メナム川(チャオプラヤ川)流域ほか、マレーシア、インドネシア・スマトラ島、ボルネオ島、バンガ島、ベリトゥイン島、ブルネイなどに生息しています。

大きな川や、その周辺の湿地帯、水田、ときには洪水によって一時的にできた水溜りなどにも生息しています。

自然界では、動物性プランクトンやボウフラなどの昆虫の幼虫類などを食べて棲息しています。水槽内では赤虫をはじめとした生き餌を中心に、人工飼料も与えていくようにします。

アナバス亞目の魚に共通していることですが、ラベリンス器官を持ち、直接空気中からの酸素を血液に取り入れることができるようになっていることから、水面に上がって口から直接空気を吸うことができます。水中の酸素濃度が低い、水たまりや止水域のようなところでも暮らすことができるようになっています。このようにラビリンス器官を持っている魚、をラビリンス・フィッシュと呼ぶこともあります。ラビリンス・フィッシュは、空気呼吸をすることが出来るため、溶在酸素の少ない水中で飼育することが可能です。その一方において、空気呼吸のできない環境は厳しい環境と言えます。特にベタは、呼吸の大半を空気呼吸に頼っていて、空気呼吸のできない環境では溺死することがあります。

もともとオスは縄張りを持ち、縄張り内に入ったりした個体を威嚇、攻撃する性質があり、オス同士を混泳させると喧嘩を始める性格があるため、戦わせる「闘魚」として親しまれて来ました。2匹のオスを瓶などで仕切りにいれると、エラぶたをひろげ、各ヒレをいっぱいに広げてお互いを威嚇し(フィンスプレッディング)、さらにはかみ合い、ヒレがボロボロになるまで争います。

こうしたことから、オス同士を戦わせる遊戯のために飼われるようになり、ベタは一名「闘魚」とも呼ばれています。

より気性が荒い、強い、闘魚のための交配が重ねられ、改良が行われて来ました。そうした品種改良の途中にたまたま鮮やかな赤い個体が生まれ、観賞魚としての価値が見出されるようになりました。美しさを求めてさらに品種改良が加えられ、目の覚めるような青や赤の体色で、ヒレの長い品種が誕生し、流通するようになりました。

ベタは闘争性があることから、ベタのオス同士を同時に水槽で飼育することはできません。水槽が狭いとオスだけでなくメスも襲うことがあります。どちらのヒレもぼろぼろになるほど争います。メス同士は、比較的混泳出来ます。他の種類の魚には全く興味を示さないベタが多いので、種類の異なる熱帯魚との混泳は可能です。しかし、個体によっては、気の荒いものもあり、敵と認識するとその攻撃力は凄まじく、最悪の場合、殺してしまいます。ヒレの長いベタは泳ぎが上手ではありませんので、混泳させる場合は、他の魚が隠れられる場所をたくさん作ってあげるようにすると、ベタからの攻撃を防ぐことができるようになります。

アナバス亞目の多くの種類で見られるように、水草などの浮遊物を集め、そこに泡をくっつけた浮き巣(泡巣)をつくり、そこに産卵し、生まれた稚魚を守る行動をするバブルネストビルダーと呼ばれるタイプになります。また、流れの速い水域に棲む一部のベタでは、泡巣を作らず口内保育を行うマウスブルーダーのタイプのものもあります。

一口にベタと言っても、ワイルドのその種類は、よく知られているベタスプレンデンス(学名:Betta splendens)ほか、ベタマクロストマ(学名:Betta macrostoma) 、ベタインベリス(学名: Betta imbellis)ベタマハチャイ(学名:Betta mahachai) 、ベタスマラグディナ(学名:Betta smaragdina)など、50種類以上いると言われています。ワイルド以外の品種改良種には、闘魚としての品種改良が加えられたプラガット・ベタ、観賞魚として色の美しさを引き出したトラディショナル・ベタ、トラディショナルベタをもとに、さらに血統管理を繰り返し、ヒレが大きく扇状に広がり、さまざまな色調を持つショウ・ベタがあります。

アクアリウムの世界では、ショー・ベタは、欧米を中心にコンテストレベルに改良され、トラディショナル・ベタは、主に東南アジアで品種改良されています。

トラディショナル・ベタは、丈夫で飼育は容易で、世界中で愛されています。日本でも東南アジアから比較的安価な個体が輸入されて流通していますが、飼育も繁殖もやや難しいところがあるので、入手もやや難しい傾向にあります。

ベタの種類

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