アナバスは、スズキ目(Perciformes)・アナバス亜目(Anabantoidei)に属する仲間で、キノボリウオなどのアナバス科(Anabantoidei)、ドワーフグラミー、パールグラミーなどのオスフロネムス科(Osphroneminae)などに分けられます。
ラビリンスフィッシュとも呼ばれ、「ラビリンス器官」(迷宮器官)と呼ばれる補助的な呼吸器官をエラの中に複雑に折りたたまれた特殊な呼吸器を持ち、直接空気中からの酸素を血液に取り入れることができるようになっています。口から酸素を取り入れる呼吸と、普通の魚のようなエラ呼吸と、2通りの方法で呼吸をしています。このため、通常の魚類は生息することができない、水たまりのように、水中の酸素濃度が低くても、水面から空気を吸い酸素を吸入することが出来ます。その一方で、空気呼吸のできない環境では溺死することがあります。
多くは肉食性で小さな水棲生物や腐肉を食べて生息しています。種類によってはコケや水草を摂食します。
また、アナバスのほとんどの種類で、オスが水面に巣を作ります。巣を作る種の雄は、縄張りをもち、侵入しようとする他の雄に対して活発な防御行動を取ります。オスが巣の周辺で卵と仔魚を保護し、落下した卵や稚魚を拾い上げ、巣へと戻すような姿も見られることもあります。
東南アジアを中心に、アフリカにも分布していますが、市場に出回るほとんどの種類が東南アジアからの養殖種です。
多くは昼行性ですが、アフリカ産の一部には、夕暮れから夜にかけて活動する種類も見られます。
東南アジアでは養殖が盛んで、品種改良が進められ、美しいグラミーが作り出されています。ノーマル種となるドワーフグラミー以外にも、幾つかの改良種が存在し、赤や青の色彩に着目して改良された種類を見かけることができます。
反面ホルモン剤を使用した個体などには、ウロコや体型の乱れもよく見られます。稀に現地採集のワイルど種が販売されることもあります。ワイルド種は、改良種のような派手な色彩ではないものの、ウコロや体型に乱れもなく、美しいプロポーションで、飼い込むごとに、深い味わいのあるシックな美しさを称えて行きます。