病気は、細菌や寄生虫によって引き起こされる場合が多くあり、その症状はさまざまですが、毎日、熱帯魚を観察していれば、少なくともいつもとは違うということには、気が付くようになってきます。
病気は早期発見が重要視されます。次のような点に気を付けて、異変に気付いたら、原因を探り当てて、早期に治療することが望まれます。観察のポイントには、次のようなものがあります。
(1)動作や仕種に変化がある
熱帯魚の種類によって泳ぎ方はさまざまですが、いつも元気良く泳いでいた熱帯魚が急に水槽の隅の方でじっとしていたり、いつもと泳ぎ方が違ってふらふらとした泳ぎ方をしているときは、何かしらの病気を疑う必要があります。
●仕種の異変
- かゆがり、岩や流木などに体を擦り付ける仕種をする
- 突然体を震わせるような動作を見せる
- 動きがにぶくなり、尾やヒレを活発に動かして活発に泳ぐ姿が見られない
- 行動が不活発になる
- 落ち着きがなくなる
- 突然狂った様に暴れ回ることがある
- 完全に群れから離れて静止している
●呼吸や排せつ上の異変
- 注水部やエアレーションの周りに集まる
- 呼吸が速くなっている、あるいは口で呼吸している
- 呼吸回数の減少
- 糞が異様に少ない(排泄困難)
(2)エサの喰い付きなど、食事上の異変
毎日同じようにエサを与えていても、喰い付き方が全然異なっているなど、異変に気付くことがあります。
食欲がないなど、エサに関する異変については、初心者でも比較的早く気付くことができます。与え過ぎていない限りは、元気のいい熱帯魚なら、エサに向かってまっしぐらで競って喰い付くはずです。反面体調を崩すと、熱帯魚はエサに見向きもしないことがあります。
次のような症状があれば、病気を疑ってみましょう。
- 餌を食べても吐き出す
- エサを食べない
(3)体色や形状における異変
私たち人間は、体調を崩せば、顔色が悪くなったり、呼吸が荒くなったりしますが、熱帯魚についても同じことが言えます。元気な熱帯魚は体色もよく、ウロコもツヤツヤしています。ですので、急に体色が薄くなったり、模様が薄くなったり、ヒレの形が変わって来たりしたら、病気を疑って、対処する必要があります。体表の色やヒレの形などの異変は、かなりの危険信号である場合も多くあります。水槽内の複数の熱帯魚に同じ症状が見られたら、水質の点検が必要になり、感染症や寄生虫の発生を疑うことになります。
●体表における異変
- 体表にカビの着生が見られる
- 体色が黒ずんでいる
- ウロコの先に、のっぺりした少し毛羽立つ感じ米粒大の白濁点が見られる
- ウロコの脱落が見られる
- 体表に原因の判らないキズがある
- 体表の一部が赤みを帯びて、筋肉の露出が見られる
- 腹部、背部、尾柄部などに穴があいたような潰瘍が見られる
- 肉瘤がすぼんで見える
●エラにおける異変
- エラの変色
- エラの一部に出血が見られる
- エラが肥厚・変形している
- エラ蓋が完全に閉じてしまっている あるいは開きっ放しになっている
- エラ蓋を開けて見ると、エラの1部が白い、もしくは付着物が見られる
- エラの癒着、崩壊が見られる
●ヒレにおける異変
- ヒレや体表に斑点
- 尾ヒレの先端の白濁、充血
- ヒレの先が切れてボロボロになる
●その他、口や眼球における異変
- 眼球がくぼんでいる
- 口先が白くただれる
- 口・ヒレ・尾などが炎症を起こし、痛々しい