混泳の向き不向き

混泳向き

一般に大きさの違う魚は、魚食性のない魚でも、口にすっぽりと入ってしまう場合がありますので、極端に大きさの違う魚は避けるべきです。しかし下記に挙げた魚に関しては、大きさが違っても、混泳が可能で、60㎝水槽では、ネオンテトラを中心にこれらの魚をバランスよく1~3匹ずつ混泳させている水槽もよく見かけます。

  • ネオンテトラ、カージナリテトラ、ラミノーズテトラ、グローライトテトラ(以上カラシン科)
  • レッドワグ・プラティ、グッピー(以上卵胎生メダカ)、
  • アメリカンランプアイ(卵生メダカ)
  • ラスボラ・ヘテロモルファ、チェリーバブル、ブラダニオ、クラウンローチ(以上コイの仲間)。クラウンローチは体長15㎝くらいになりますが、60㎝水槽で混泳は可能です。
  • ゴールデンハニー・ドワーフグラミィ、パールグラミィ(以上アナバスの仲間)。いずれも全長10㎝くらいまで成長しますが、他の混泳が可能な魚となら種類を問わず、60㎝水槽で混泳は可能です。
  • コリドラス、オトシンクルス(以上ナマズの仲間)
  • ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビは、メダカやテトラ類、水槽内を活発に動き回って水槽内の藻類や水垢などを食べ、掃除役をこなしてくれます。ただし、ヤマトヌマエビとミナミヌマエビは混泳不可です。ヤマトがミナミを襲うこともあるようです。水槽の底の掃除用に飼うのなら、どちらか一方にします。
  • ラミレジィ、ペルヴィカクロミス・プルケール(以上シクリッドの仲間)
  • ネオンドワーフ・レインボー(以上トウゴロウイワシ目・メラノタエニア科・メラノタエニア属=レインボーフィッシュ属)メラノタエニア属のレインボーは全長10cm前後になりますが、ネオンドワーフは成長しても5㎝程度なので、45㎝水槽でも混泳は楽しめます。

混泳不向き

分類上は同じ仲間になっても、種類により、まったく性格が異なり、混泳が不可能な魚もいます。また、素人が見て、外観上同じに見えても、種類が異なる魚である場合もありますので、混泳については、ショップの店員さんで詳しい人に聞くか、よく調べる必要があります。また、同じ水槽に後から魚を増やす場合、縄張り意識から同種間で増やすことは難しい魚もいます。そんな魚も多種間では可能である場合もあります。

性質が荒い魚

代表的なものとしてはネオンジュエルシクリッド、アブラミテス、レッドテールブラックシャークなどが上げられます。また、ベタなどは闘魚として有名ですが、ベタ以外の魚種に対しては比較的温和でベタの雄1尾をコミュニティタンクで他の魚と飼育する分にはまったく問題はありません。

  • スマトラは、熱帯魚として非常にポピュラーで、古くから親しまれているコイの仲間です。エンゼルフィッシュの長いひれなどをかじる習慣があるので、混泳はできません。この魚は、エンゼルフィッシュの飼育に関して記述されている本では必ずといっていいほど相性の悪い魚の代名詞の魚として紹介されています。 スマトラの改良品種である「白スマトラ」や「モスグリーンスマトラ」などはやや温和と言われていますが、やはり避けた方が良いでしょう。スマトラは、飼育は容易ですが、やや性質が荒い為、同居させる魚を考慮する必要があります。
  • セルフィンプレコやサッカープレコなどナマズの仲間は、深夜眼が見えず動けない混泳魚の体を舐めて、ウロコを傷付けてしまいこともあるようです。眠ったエンゼルフィッシュの体表に吸い付き、舐め殺してしまうようなこともあります。セルフィンプレコやサッカープレコは、特にプレコ体長10cmを越えた辺りから気が荒くなり、苔取りや残餌処理として安易に水槽に導入するのは非常に危険で、持て余してしまうことになります。成長すると全長は50㎝にもなります。成魚の大きさも考慮する必要があります。

小魚に対し、魚食性を発揮する魚

チャカ・バンカネンシス、オセレイトスネークヘッド、ダトニオイデスなどは、小魚を餌にしています。自分と同程度のサイズの魚に対しては案外温和であったりするので,正確には、口に餌として入るサイズの魚との混泳は不可と言うべきかも知れません。

エンゼルフィッシュは、エビを好んで捕食します。ビーシュリンプやクリスタルレッドシュリンプなどの小型エビはエンゼルの大好物です。一緒に入れてしまうと、あっという間にいなくなってしまいます。エンゼルフィッシュは、特に他種を襲うことはほとんどありませんが、基本的に魚は口に入るものは何でもエサとして認識してしまい、食べてしまう習性があります。エンゼルフィッシュがまだ小さい場合は問題ありませんが、親になったエンゼルフィッシュは体長が10㎝にもなり、Sサイズとして売られているようなネオンテトラでは口に入ってしまうため、稀に食べられてしまうこともあります。特に子供の頃からネオンテトラと一緒に飼育された経験の無い場合は「同居魚」と言うよりも「エサ」として認識してしまうようです。

グッピーやプラティのような熱帯魚も、エンゼルフィッシュと一緒に飼うのは特に問題はありませんが、「卵胎生」と呼ばれているこのようなメダカは卵で生むのではなく、すぐに泳げるような状態で、子供を出産します。生まれたばかりの子供は非常に小さく、エンゼルフィッシュにとっては格好の「エサ」になってしまいます。

水草水槽のコケ掃除役として活躍するオトシンクルスの仲間も、エンゼルフィッシュが子供の時は問題ありませんが、大人になるとエンゼルフィッシュの口に入ってしまう場合があります。エンゼルフィッシュが口にオトシンクルスを詰まらせて、死んでしまったというケース
も報告されています。特に大きなエンゼルとオトシンクルスの混泳には、コツが必要になります。

一般的に温和とされるエンゼルフィッシュですが、「アルタムエンゼル」の幼魚だけは例外です。アルタム・エンゼルフィシュは、ネグロ川、オリノコ川の上流域に棲んでいる、エンゼルフィッシュ(Pterophyllum)のワイルドの1種です。肉食性で、非常に魚食性が強く、貝類、甲殻類、魚卵、小魚などを捕食し、Sサイズのネオンテトラやアカヒレを好んで食べる傾向があります。

一般にシクリッドは、テリトリーを持つ魚で、性格が荒くシクリッド同士の混泳は、難しいと言えます。ボロボロになるまで激しい喧嘩をし、場合によっては殺し合うこともともあります。どうしてもいっしょに飼いたいと思ったら、数やサイズを合わせ、なおかつ隠れ家を多くしたりする必要があります。

昔からスネールなどの貝を食べるということでスネールバスターとして有名なアノマロクロミス・トーマシーは、貝だけではなく、エビも食べてしまいます。よってミナミヌマエビやビーシュリンプなどとの混泳はできません。
もし水槽内のスネール退治で使うのであれば苔退治用のエビは入れられなくなります。巻貝の駆除のみを理由に導入すると、その後、持て余してしまう可能性があります。

特別な水質を好む魚

養殖で育った大部分の魚は、水道水に対する適応力があるため、カルキ抜きさえしてやれば、飼育が可能ですので、水質に関して混泳も可能です。しかし、中には水質に敏感で生息環境と同じような水質を用意しなくては上手く飼育ができない魚も存在します。マラウィ、タンガニーカ湖に生息するアフリカンレイクシクリッドは弱アルカリ性の硬水を好みます。水道水を塩素中和したような中性付近の水質を好む一般的な魚といっしょに飼育するには不向きと言えます。また、東南アジアのチョコレートグラミーなど、落ち葉などが堆積し水が茶色に変色したブラックウオーターと呼ばれる水域に生息していて、酸性の軟水を好みます。水自体が菌や寄生虫から守ってくれるような環境で育った魚ですので、先天的に防御機能が弱い傾向にありますので、基本的に単独飼育が望ましいと言えます。

汽水魚

ライオンフィッシュなどの汽水域(淡水と海水が混じりあうような場所)に棲息する種類も、人工海水などをある程度飼育水に溶かさないと、,上手に飼育できません。

人工餌を食べたがらない魚

アカムシやイトミミズなどの生き餌を好み、よほど慣らさないと人工餌を食べるようにならないエレファントノーズ、チョコレートグーラミィなどは、飼育に難しい魚です。

水草を食べてしまう魚

草食性のあるメティニス、プレコの仲間などは、水草を食べてしまいますので、水草レイアウトには不向きです。

獰猛な魚

ファーゴ(カラシンの仲間)は、フィンイーターで、他の魚のヒレをかじってしまいます。エクソドン、ウィンプルピラニア(ともにカラシンの仲間)などは、スケールイーターで、他の魚のウロコを主食にします。

極端に臆病な魚

リコリスグーラミィなどの小型で臆病な魚は、1種類だけを飼育しないと、物陰にひっそりと隠れてばかりでその魚本来の魅力を我々に見せてくれません。

後から同種間で増やすことが難しい魚

クマノミ、カクレクマノミなど、クマノミの仲間は、多種との混泳は可能でも、同種間では強いテリトリーを持ち、死ぬまで喧嘩するような場合があります。同じ水槽で同種のものを増やす場合には、注意が必要です。

動きや、夜行性などの習性などから、混泳魚にストレスを与えてしまう魚

水槽内でゆったりと泳ぐ魚にとって、泳ぎが活発で、止まっていたと思えば急に動き出すような狩人的動きをする魚との混泳は、ストレスになることがあります。また、昼間は問題がなくても、昼行性の魚が夜になると目が見えず、動けませんので、同程度のサイズであっても、夜行性のプレコと一緒にするのは危険な場合もあります。

エンゼルフィッシュはその独特の体型からそれほど速く泳ぐことは出来ません。大きさは同じであっても、中型の熱帯魚は基本的に気の荒い仲間が多いのが実情です。ですので、あまりにも水槽内を活発に泳ぎ回るような中型のコイ・カラシン・シクリッドの仲間と一緒にしてしまうと、エンジェルフィッシュにとって、ストレスになることがあります。

ブラックゴーストなどナマズの多くは夜行性で、エンゼルフィッシュやディスカスなどの昼行性の魚が寝ている所を夜間活発に泳ぎ回るので、昼行性の魚に大きなストレスを与えることもあります。また、夜エンゼルが眠っている間に、プレコはエンゼルやディスカスの体表に吸い付き、舐め殺してしまうようなこともあります。

プレコ(ナマズ)と一緒に、コリドラスやローチー類(ドジョウ)など、底を棲み処にし、底をテリトリーとしている多種の魚と混泳させると、プレコは直接攻撃しなくても、ストレスを与えます。プレコと混泳させたコリドラスやローチー類は、長生きしません。

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