エンゼルフィッシュ

エンゼルフィッシュの種類

エンゼルフィッシュ(シクリッド) 

エンゼルフィッシュ(スズキ目・ベラ亜目・シクリッド科・エンゼルフィッシュ属)は、大きなひれでゆったりと泳ぐさまが天使(エンジェル)に喩えられたところから、この名が付きました。ディスカスと並んで、シクリット科の同じ仲間で、熱帯魚のシンボルとも言えるくらい古くからよく知られている淡水魚です。

長い2本の腹ビレで優雅に泳ぐ様は、美しい水中の世界に神秘を感じさせます。

強敵の多いアマゾン川水系に棲むことから、エンゼルフィッシュの体が平たいのは、襲われた時に水草や木の枝の狭い隙間に、すぐに逃げ込めるように進化させたものだとも考えられています。また、体高の高い三角形の体も、自分の体を大きく見せるためのものとも言われています。

エンゼルフイッシュは、いずれも水質は弱酸性の軟水、28℃~30℃の水温で飼育します。人工飼料も含めて、アカムシ、イトミミズなどの動物性の餌を好みます。

速く泳ぐ魚ではありませんし、基本的には大人しいので、小型魚との混泳が可能です。ただしエンゼルフィッシュは口に入るものは餌と認識してしまいますので、あまりにサイズの小さい魚は向きません。一般的に低層のコリドラスやプレコとの相性はよいとされています。

水温の急変や水質の悪化などによるストレスで肌荒れになることが多く、鰭の縁部や体表が白くなりとけてしまうことがありますが、これは飼育のし方以前に、購入した個体に問題がある場合も多く、よい個体を購入すれば、飼育は比較的容易だと言われています。

また、繁殖についても比較的容易で、生後1年前後で成熟し、ペアを作った後に1回に200~500個ほどの卵を産卵します。雌雄の見分け方は困難ですが、両親でヒレなどを使って卵を守る姿には、大変麗しいものがあります。メスが産卵した卵をオスが受精することで孵化していきますが、この時期にエンゼルフィッシュを驚かしたり興奮させると、親は危険を感じ卵を食べてしまうことがあります。

流通しているエンゼルフィッシュは大きく分けて、現地採取のワイルド種と、ブリーダーたちによる繁殖でつくり出されたブリード種があります。割合としては、半々になっています。

ワイルド種には、スカラレ・エンゼル、アルタム・エンゼル、ドゥメリリィ・エンゼルがあり、ワイルド種のほとんどは、この3種です。

・スカラレ・エンゼル(学名・Pterophyllum scalare)
南米のペルー、コロンビア、ブラジルにまたがるアマゾン川流域に生息し、一般的に流通している多くがこの種類が母体になっています。

・アルタム・エンゼル(学名:Pterophyllum altum)
ネグロ川、オリノコ川の上流域に生息し、エンゼルの中では最大級のものになります。目の部分にある黒帯の間にやや薄色の暗線が1本入ります。アルタムに関しては、ワイルドも多くなっています。

・ドゥメリリィ・エンゼル(学名:Pterophyllum dumerilii)
スカラレ・エンゼルと同種とされることもありますが、目の部分にある黒帯の間にやや薄色の暗線がスカラレ・エンゼルが1本であるのに対し、デュメリリィは2本入ることで、区別されています。また、他の種類に比べ頭頂部がなだらかで、押しつぶされたような姿をしているのも特徴とされています。改良品種は、そのエンゼルが色や形がどのように綺麗かにかかります。尾の模様の描く線がレース模様のような「レースエンゼル」、長い美しい尾を持つ「ベールテール」、ボディに細かいダイヤモンドを散ばしたような「ダイヤモンドエンゼル」、頭の方が赤い「レッドトップエンゼル」、黒いダイヤモンドを散らばしたような「ブラックブラッシングエンゼル」・・・と、それぞれの容貌に合わせた名前が付けられていますが、これらはすべて改良品種です。改良種に中でも、独立表現型改良品種(子供は必ずオス・メスどちらかの品種として産まれてくるもの)は、いずれもワイルドのスカラレエンゼルフィッシュの突然変異を近親交配によって固定したもので、次のようなものがあります。

・ゴールデンエンゼル
縞模様が消失し、頭部から背中にかけて金色の発色のある改良種です。

・ブラック・エンゼル
体が黒一色になる改良品種。眼の虹彩が赤くなるのが特徴の改良種です。

・レースエンゼル
ヒレや尾の模様の描くラインが、まるでレースの縁取りのように見えることからこの名が付けられました。ワイルドのスカラレ種の体色は銀白色なのに対し、モスグリーン色をしています。

・レオパードエンゼル
体の前半分が、シルバーエンゼルのようなシルバー色で、後ろ半分がヒョウ柄のエンゼルです。 スカラレ種やレースエンゼルのような縞模様は出ません。

・シルバーエンゼル(並エンゼル)
現地採取のワイルドのスカラレ種のブリード種です。野生のエンゼルと同様の色彩で、もっとも一般的に知られているエンゼルフィッシュのブリード種です。数十世代にわたる繁殖の途中で改良品種の血が混ざってしまった個体も、この種類に含みます。
これらの他に、複合表現型品種(劣勢で必ずしも子に現れて来るものではないもの)による改良種もあります。

・ダイヤモンド・エンゼル
鱗の形状が変化して光沢を持った皺のような状態になった改良品種。

・アルビノ・エンゼル
アルビノのエンゼルフィッシュ。体色はゴールデンエンゼルに近い。

・マーブル・エンゼル
縞模様の代わりに大理石のような黒い模様が入る改良品種。通常のマーブルエンゼルは黒と表皮の銀色のみであるが、トリカラーエンゼルと呼ばれる黒と黄色の模様の入る品種も存在する。

・グラスエンゼル(ブラッシングエンゼル)
鱗が透明になり、体に透明感を持った改良品種です。レッドトップ・エンゼル、ホワイトエンゼル、ブラックブラッシングエンゼルなどがあります。

・ベールテールエンゼル
背ビレと尻ビレが非常に長く発達する改良品種です。

改良種による名前は、独立型改良品種と複合型改良品種との組み合わせにより、「~エンゼル」とつけられることになります。体色、ウロコの発色、形状、ヒレの形、スポット模様などの改良点を表した名前が、そのまま付けられていることになります。

飼育面から考えると、現地採集種は、改良種に比べて、水質の点も含めて神経質なところがあり、少々飼育が難しくなります。

現在熱帯魚ショップで売られいるほとんどのエンゼルフィッシュが東南アジアなどで養殖されたものです。
ブリード種は、水質の変化にも適応力があり、家庭の水道水のカルキを中和させただけの水で飼育が可能です。ビギナーの場合は、ブリード種の中からしっかりした個体を選んで飼育を始めるといいでしょう。

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